6月下旬、今日は暑いなと思い、髪型をお下げからポニーテールにした。我ながら上手にできたと思う。朝6時、まだ家族が寝ているところを行ってきますと家を出た。するとお隣さんの堅治くんがやはり同じように家から出てきた。

「おはよう二口くん」

「はよ。」

最初はこんな朝早くに家を出なければいけなかった理由を作った先生を怨んだものだが今では感謝している。私に水遣りの任務をくれてありがとう先生。おかげで私は堅治くんと一緒に登校できます。と1人感慨にふけっていると堅治くんが「あれ」と声を上げた。

「今日、髪型...」

「うん、暑いからポニーテールにしてみた。...変じゃない?」

と軽くポニーテールのしっぽを振る。すると堅治くんはあろうことかしっぽを掴んだ。髪の毛がピンと張る。その衝撃に顔をしかめた。

「痛い」

「あ、悪い。」

堅治くんはしっぽから手を離す。そして何か決まりが悪そうに前髪をいじっている。

「なんつーか、いつものお下げの方が似合ってるっつーか...」

「え、変?」

「変。」

堅治くんに変と言われてショックを受ける。そうか、私はポニーテール似合ってなかったのか...、としょんぼりしていると堅治くんが慌てて手を振る。

「いや!変ではない!ただ見慣れないだけで!」

「いいよ、そんなフォローしなくて」

「ほんとだって!」

堅治くんの方をチラリと見ると彼は必死な形相だった。そんな彼にクスリと笑って髪の毛を解く。そしていつものお下げにする。

「え、よかったのか?暑いんだろ?」

「いいの、だってこっちの方が似合ってるんでしょ?」

「だから、いい」と言うと彼は少し頷いた。頷いたところで20pは身長差があるので彼の顔が見えてしまう。堅治くんの顔は少し赤みがかっていた。気のせいかな?と私は勝手にひとりごちた。

......


今日家から出たらみょうじがお下げではなく、ポニーテールをしていた。まずそのことで肝を抜かれた。いつもと違う雰囲気の彼女はどこか艶かしさを放っていた。「変じゃない?」と髪の毛を振る彼女からはうなじが見えてドキッとした。いつもは隠れている場所だ。これを他の男も見るのかと思うと自然に手が出ていた。「痛い」とみょうじは顔をしかめた。その声に反応して手を離す。このみょうじを他の男に見て欲しくなくて、思ってもないことを口にしてしまう。ほんとは可愛いと思ってるくせに。その事実に軽く焦る。なんでだ。こいつはただの幼馴染なのに...。そう思うとみょうじは髪の毛を解き、いつものお下げにした。その事実にホッとした。「よかったのか?」と聞くと「こっちの方が似合ってるんでしょ?」と聞き返す。俺の好みに合わせてくれるのかと思うと軽く頬に熱が集中した。

「そういえばね、花壇の花が蕾をつけたの。もうすぐ咲くかな?」

知らねー、と言いつつ近いうちに見に行こうかなんて思った。






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