おま、女装癖が…!?


ネズミが女体化して二日目。
いつも通り紫苑は犬洗いに働きに出て、ネズミは当然のことながら劇場の仕事は休まされていた。

紫苑は地下室のドアを開ける。

「ただいまーネズミ。おとなしくしてた?無事?まだ女の子のまま?」

返事のかわりに、ネズミは叫んだ。

「この変態ー!」
「えっ」
「…そうそう、見つけたぞ、このやろう」

まるで、子供がベッドの下に隠していたエロ本を見つけた母親のような顔で、ネズミは言う。

「これは、なんだ」

ネズミが紫苑の鼻先に突き付けられたのは、フェミニンな女物の洋服。
紫苑はそれを見て驚くでもなく慌てるでもなく、ああと頷いた。

「あ、見つけたんだ」
「見つけたって、おま…っ、女装癖が…!?」
「なわけないでしょ、ネズミ用だよ」
「はっ?」

思いもかけない返答に、ネズミは耳を疑う。

「なに馬鹿なこと言ってんだ紫苑」
「え?そんなことないよ、今ネズミ女の子じゃん?むしろそっちの服の方が理にかなって…」
「うるさいっ!だいたいなあ、おれが女の子になったのは昨日だぜ?なのになんで、昨日の今日で女物の服が手に入る?しかも、床下に忍ばせることができるんだよ?いつから持ってた、この洋服!」
「うん、けっこう前かな」
「この…っ」
「だって、イヴの女装見たら、たぎっちゃってさ!」
「…は?たぎ…る…?」
「そう!それで、古着屋のおかみさんに無理言って安く売ってもらっちゃった!」
「…あのおかみ、あんたに気があるからな…」
「かわいいでしょ、ね?はやく着てみてよ!」
「…遠慮する」
「え?なに?サイズならぴったりだと思うよ!ね、着てみてネズミ!ねぇ、ネズミってば!あっ、ちょ、逃げるなーっ」

だが結局、ネズミは紫苑さんに捕まってしまいましたとさ。
めでたし、めでたし。


fin.

20110913

ちゃんとした文章書くの放棄しててごめんなさいm(__)m
ちょと…ちょっとがんばる!


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