[水希視点]










丸井「あの時は焦ってて、ただがむしゃらで…
跡部の事話すつもりはなかったんだ」








しゃがみこんで顔を伏せたブン太は
一言一言に後悔を感じさせている。



……だからこそ、














水希「焦んなって言ったのに…」










そんなこと言ったって人の本能は
約束されたものじゃない。

コントロールが出来なくなる時だってある



それもちゃんと、分かってる。

















水希「桃子はお前の事ちゃんと見てたよ?
いつものお前らしくねぇじゃん」






丸井「なぁ、俺らしくってなんだ?」



水希「·····ブン太」






丸井「教えてくれよ!俺の言った事は本心なんだ!
俺なら絶対に桃子を笑顔にできるって·····
自信が、ついてきたからで…」
















そうじゃない、違う。













水希「お前が桃子を大事に
想ってる事は知ってる!

だからこそチャラついてた時と違って
ワンクッション置きながら·····
ちゃんと桃子の事を見ながら、
考えながら行動してたよ」



丸井「·····」



水希「お前の気持ちは充分伝わる、
だけど桃子の気持ちはどうなるんだ!?」





丸井「……!」










水希「桃子の気持ちが分からないなか、
幸せにするとか笑顔にするとか、
そんな言葉は……ただの一方通行だろ!」






丸井「分かってんだ!!

…分かってたんだよ、」
















声を荒らげた後はただ、静寂が続いた

桃子の事もブン太の事も
どちらも大事な、大切な友達だからこそ
傷ついて欲しくないんだ。





でも、誰も悪くないのに
こんな気持ちになるなんて、



やっぱり恋愛って難しいんだと改めて思った。












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