また、春がやってきた。
携帯のメールフォルダは
先輩からのメールでいっぱい。
朱鳥先輩は高校で学生をしながら
小説家のたまごとして頑張っている。
たまに会うと、以前よりも短くなった
髪をかきあげて笑う。
葵先輩は水喬先輩の病気を
自分が治すんだっていって、医大に行くために
猛勉強中。たまに来るメールは
漢字が多くて解読できない事もしばしば(笑)
梓先輩は、保母さんを目指している。
また、ずば抜けた美貌で読モをしている。
このTAの人たちは、全員同じ高校。
だからあたしも、来年はその高校に進むつもり。
聞けば、文芸部の先輩たちは90%ぐらいそこに進学しているらしい。
そして、今、文芸部は―
普通に、訳ありの人のための部活を続けている。
もし、あなたがへんな先入観を持たれて悩んだら。
イロつきのフィルターで見られたら。
幸せをつかみたかったら。
あたしの学校の文芸部に来て欲しい。
井塚(いつか)は、歩けるようになるから。
永久に立ち止まらなくていいから。
あらあらと言うほどかわってくから。
一人じゃないよ。大丈夫だよ。
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