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奏哉はのそりと起き上った。
「成留ぅ〜〜〜おまえ、気付くの遅―よ。」
は?
なにこれ、どーいう意味?
あたしが茫然としていると、永久がすまなさそうに言った。
「すまぬな、ナル。小生も頼まれていたのだ。」
「は??」
「俺が事故にあったのは本当なんだ。
だけど、意識はハッキリあったんだ。
でも。何て言えばいいのかわかんねーけど、
俺の存在が成留にとって本当に必要なのかって不安になったんだ
俺がいなくてもお前なら大丈夫じゃないかって……。」
馬鹿だね。
「俺、孤児だからさ。いつも“かわいそう”って
言われ続けていたんだ。孤児ってだけで。
最初は腹が立ったけど、だんだん、自分でも
周りから見たら俺はかわいそうな奴なんだって
認識しちまってさ。
そのとき、成留が現れたんだ。孤児だっていっても、
何も言わなかった。」
俺の瞳に貼りついていた
イロつきのフィルターを成留が外してくれたんだ。
奏哉はそういって笑った。
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