みなさん、お久しぶりです。井塚 成留です。
先輩が引退されて、少し経って、文芸部は少し寂しくなりましたが、
いつものように学校に行く毎日です。
さぁ、今日も学校へいくぞ!と思ってドアを開けたら、奏哉は、
もうあたしの家に来ていた。
あの事故から、背が伸びなくなったけれど、
事故前にも170あったから、「成長期が終わったんだ。」と誤魔化してる。
「…ねぇ、奏哉。」
「ん?」
「高校生になったら、本当に……」
「うん。俺本当の親に引き取られるかも。」


 
「成留!」
「友海ぃ〜〜〜」
「二人とも落ち着け。」
「「美景ぇ〜〜〜〜」」
「あー、もう!!!、ひっつくな!」
 友海と美景は同じ志望校。2人曰く、
「成留は吉永君(奏哉)と同じ高校行くんでしょ?」との事。
あたし的には別に一緒に行かなくてもいいんだけどなぁ……。

 「いや、いけばよいのではないか?」
「いやぁ〜〜……永久、簡単に言うけど、さぁ…。」
 帰り道。永久はのんびりとそう言った。
ホントに簡単に言うけど、奏哉の本当のお母さん
(奏哉は孤児)は写真でしか見たことがなかったけど、とっても美人だった。
奏哉は“憎しみなんて気持ちは一つも残って無いよ。”って笑ってた。
「本当の親父は、事故かなんかでもう亡くなってるらしいんだ。
本当の母親の歩夢さんは、俺と架耶を育てようとして、身体と
メンタル崩しちゃってさ。」
 そんな母さんをどう責めろって言うんだよ……
最後の言葉は、吐息に近かった。

もどる



 






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -