「「かんぱーい!」」
無数の紙コップがぶつかり合う。
今日は立海のテニス部でお花見に来ている。
お酒を飲むわけじゃないけど、やっぱり皆で食べたり飲んだりするだけで楽しい。
「あっ!丸井先輩、それ俺の……!」
「早い者勝ちだろぃ?」
「じゃ、いただきナリ。」
「あぁー!仁王!返せっ!!」
賑やかだなぁ、と赤也、ブン太、仁王の三人を見る。
結局被害を受けるのは柳生とジャッカルなんだろう。
かわいそうに。
「やっぱり、サクラ綺麗だね。」
「うむ、花見とはいい提案だったな。」
「丁度、今が見ごろだからな。」
こちらの三人はというと、無駄に落ち着いている。
流石三強といったところだろうか。
きっとお酒飲んでても違和感ないと思う。
「朱鷺原!こっち頼むー!」
「はいはーい!」
私は…というと。
いわゆる雑用係というもの。
あっち行ったりこっちに来たり。
紙コップ渡したり、ジュース注いだり。
全く、桜を楽しむ暇なんてあったもんじゃない。
「あ、もうジュースないじゃん。誰か買ってきてー!」
「俺が行こう。」
意外にも、蓮二がスッと立った。
そのままスタスタとコンビニの方に向かって歩いていく。
「朱鷺原も行って来て。」
「えっ、何で!」
「……荷物持ちね。」
「それって普通逆じゃん。女子が荷物持ちなんて………」
「荷物持ち…ね?」
幸村っていつも思うけど、酷いよね。
『何か言った?』
いえ、何も!!!
私は大人しく蓮二の背中を追いかけた。
***************
「…皆少しは気を使いなよ。」
「え?幸村くん?何の話…」
「参謀と朱鷺原ぜよ。」
「付き合ってる二人が一緒に居られないなんて、ちょっと酷だからね。」
「「((雑用係にしたのは幸村なのに?!))」」
「何か言った?」
「「いえ、何も!」」
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