(企画/ちずみ様リク)
『すまない、今日も生徒会があるんだ。』
毎回生徒会と言っては、一緒に帰れなかったり一緒にお昼食べられなかったり…やっと部活がない日があったって、生徒会行事の準備などで遊べない日が多くなっている。
もともとマネージャーだった私は、普通の子よりは一緒にいる時間が長い。
でも、私は少しでも一緒にいたいと思ってる……。
「ごめん、ちょっと用事あるから!」
そういってこの間、蓮二の誘いを断った。
用事なんてなかった。
ただ、少し仕返しをしてやろうと思っていただけだったのに…。
その日を境に、本当のすれ違いが始まったのだ。
「あれ、若菜、柳くん一緒じゃないの?」
「あ…うん、生徒会だって。」
「最近全然一緒にいないよね?」
「そう…だね。」
部活でも長くは話し込めない。
こんなのが、何日も続いたら流石の私でも結構凹む。
……会いたいなぁ…。
会って、話したいことがたくさんある。
でも、仕返しと思って私から会えなくしたことを思い出すと、会いたいとは素直に言えない気がした。
「はぁぁあ……。」
「朱鷺原?どうした、ため息などついて。気を引きしめろ、たるんどる。」
「真田…かぁ…。何。」
「部活の事で話がある。」
そういって真田は、私の机に資料らしき紙を何枚か置いた。
……何これ。
「今度の練習試合の事なんだが、何しろ学校が何校か集まるからな。準備が大変だ。色々こき使うと思うが、頼むぞ。」
「…いいけど…。」
何校かのテニス部が立海に集まるようだ。
となると、私の経験上…試合の前の週は特に忙しくなる…。
仕返しも何も、蓮二と会えない理由が本当に出来てしまったのだ。
……あの時、会っていれば良かったのに…。
それから何日かの放課後は真田と一緒に場所の確認や、当日他の部活に迷惑がかからないように準備した。
部長の幸村は、どうやら委員会の活動週間や何やらで頻繁には顔を出せないらしい。
「真田、ベンチ動かすからそっち持って。」
「あぁ。」
「せーのっ」
毎日のように一緒にいるのだから、軽く噂になるのも仕方ない。
だって中学生だもん。
next→
←Novel Top