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昔大切な人が輪廻転生はあるのだと言っていた。
俺は信じてなかったけど信じるしかない出来事があった。
目が覚めたら赤ん坊になっていた。
大切な人を失った記憶まではハッキリ覚えている。
それ以降の記憶は無かったけど今ある記憶で十分に俺がやるべき事を決められた。
俺は順調に育っていき
小学1年の頃転校生が来た。
夏油傑だった。
傑も記憶があり再開を喜んだ。
そんなある日、TVCMで前世で大切に想っていた彼女が出ていて傑と顔を合わせて驚いた。
俺にとっても傑にとっても大切な人だったから…会う為に2人で芸能界に入ろうと決意した。
そして20歳になった俺達は祓ったれ本舗と言うコンビを組み芸人になった。
不思議だったが、何故か俺も傑も芸能界に入るなら芸人になると決めていたのだ。
少しずつ人気が出て来て少しずつ仕事が増えていったある日の事だった。
「なぁ傑、なんか今回のネタあんまり笑えなくね?」
「悟が考えたネタだろ…私は結構をいいと思うけど。マニアックなネタも持っていた方がいいと思うし」
「ふーん…じゃ、いいか」
そんな事を話しながらカフェで打ち合わせをしていると、カフェの壁に設置されたデカい薄型テレビに化粧品のCMが映る。
俺はそのCMを見て固まった。
思考が停止する…。
それは傑も同じだったらしい。
2人で固まり、そのCMを終わるまで目が離せなかった。
CMが終わり俺達は顔を合わせる。
「な、今の…似てるだけじゃないよな?」
「確実に本人だね」
「…やっと見つけた。」
その後、俺と傑は力を入れて新しいネタを考えた。
絶対に実力で会いに行く。
最近はTVにも出始めて軌道に乗ってるし
絶対に近々会えるはず…アイツは子役の頃も人気があったし、すぐに人気が出るはずだ。
「あ、硝子にもメッセ入れとこ」
「そうだね。きっと喜ぶ」
俺はスマホで硝子にメッセージを送る。
【CMでアイツ見つけた】
【やっとか。おめでとう】
【は?硝子もうCM知ってたの?】
【そんなとこ】
俺らより先に知ってたら言ってくれればいいのに。
ま、硝子らしいけど。
「硝子の方が先にCM気づいてたっぽい」
「教えてくれないのが硝子らしいね」
「…ま、いいや。とりあえず明日用のネタも完璧だし。」
「後は悟の部屋でネタ合わせして今日はお開きにしようか」
「また俺の家かよ…」
「1度私の家に来たら悟は色んな所開けたり出したりイタズラしたから出禁だよ」
「何かお宝あると思うじゃん。実際アイツが子役の頃の写真が大量に寝室に貼ってあるの見た時は引いた」
「大ファンだからね。悟だってファイルに綺麗にとってあるだろ?」
「え、何でバレてんの」
「悟はベッドの下に隠すタイプだよね」
そんな話をしてから俺達は店を出た。
ーーーーー…。
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