ネガティブ

※ぐだぐだ面倒臭い土方が存在しています。一人で突っ走っています。



坂田からメールが返って来ない。ただそれだけの事なのに。不安で不安で仕方がなくなる。いや、別にメールが返って来ないだけで不安になっている訳ではない。ただ、偶然総悟からメールが来て、それで総悟と坂田が一緒に居るってわかったから。どうして坂田はメールを返してくれないのか。坂田は着信音に気付いていないだけかもしれない。そう思い込んで布団に入った昨日。だけど、今日の昼になってもメールは返ってこなかった。


「……」


どうして、とか何でとか、誰かに言ってしまいたい。でもこんな奴絶対面倒臭いと思われてしまう。メールだけでと嘲笑われるに違いない。だけど、不安で不安でしょうがないんだ。
俺って実は銀時に嫌われてるんじゃないかとか、メール本当は迷惑だったんじゃないかとか、ぐるぐるずっと考えてしまう。こんな自分が嫌いだ。
ベッドの上に無造作に放り投げられた携帯はいっこうに鳴る気配などない。いくら何でももうメールに気付いていてもいい頃だ。昨日から家で電源切れたまま放置しているんならわかる。でも昨日坂田は総悟と一緒にいた、ということは遊んでいたということだ。携帯の電池はちゃんと充電するはずだろう。


「……最っ悪だ」


もう考えたくもないのに頭を過ぎるのは坂田の顔で。今まで坂田が俺を嫌がる仕種をしたか思い出してみるが、思い当たらなかった。いや、そもそも坂田は優しい奴だし嫌いな奴の前であからさまな態度は出さないだろう。ということは、陰で俺の事を言っていたり。

(例えば、昨日総悟と会ってた時とかに……)

一回そう考えるともうそれが真実としか思えなかった。途端に恐怖心が芽生える。俺は、嫌われていることも知らずに、自分を坂田の友達と思っていたのか、と。滑稽なことだ。坂田は俺の事なんか友達でも何とも思っていなかったんだ。


「もう嫌だ……」


携帯を掴んで壁に投げつける。ゴン、と鈍い音がして携帯は壁にぶつかり地面に落下した。はぁはぁと息が乱れる。胸が押し潰されそうだ。明日から総悟の顔も見たくない、勿論坂田もだ。会いたくない、家から出たくない。もしかしたら周りの奴ら全員俺を嫌っているかもしれない。
そう思うとなんだか死にたくなった。





―――――――
メールの返信来ないだけで死にたくなるまで突っ走っちゃう土方君。ネガティブな彼はどうですか。
2012/03/26 15:12
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