胸に残る一番星 | ナノ

  new job!


「………………」
「ただいま……って、どうしたんだ相棒」

 カミュが外出から戻ってくれば、何やらイレブンがソファーに座って考え込んだ様子をしていた。怒ってるとか落ち込んでいるとかいった類ではなく、単純に悩んでいるようなカオだ。自分がいない間に何かあったのだろうか。

「……あっ、おかえりカミュ! お疲れさま」
「おう。何かあったのか?」

 ひとまず隣に座りこむ。着替えたり水を飲んだりしたかったけれどこっちが先だ。

「……君の、新しいお仕事ぶりを見たんだけど」
「あー、あれか。本格的に始まるのはもちっと先だけどな。何か気になることでもあったのか?」

 あれは久々に舞い込んだデカい仕事で、すっかり平和ボケしていた脳も体も活性化しそうだ。それはこの相棒も同じじゃないかと思っていたが、違うのだろうか。

「気になるっていうかさ……あのマントつけてるカミュ、すっごくかっこいいなあって。出会ったころを思い出しちゃった」

 神妙なカオで何を言うかと思えば、まさかのほめ言葉だった。こいつにかっこいいなんて言われることは今に始まったことではないが、もうすっかり慣れたような、未だにこそばゆいような気持ちになる。

「今はあまりつけなくなったよね」
「ま、もう顔を隠す必要もないしな」

 演出の一環としてお願いします、と支給されたものだったが、言われてみればあんなにすっぽり顔を覆い隠せるようなモノを着たのも、久しぶりだった。イレブンと仲良くお尋ね者だった頃はもう遠い昔、というほど昔ではなくても過去のことなのだ。よろしくやってることだけは今も変わりないけれど。

「うん。それはいいんだけど……カミュが新しい仕事場で生き生きしてるの見るのも、嬉しいんだけど……大丈夫かな」
「? 何がだ」
「だって君あんなこと言っちゃっててさあ……向こうの人たち、怯えちゃわないかな」
「そりゃ、戦いの場なんだからビビらせて当然だろ」

 あんなこと、というのは煽り文句のことだろうか。確かにガンガンいったがそれは新参だからとナメられたくなかったのもあるし、何より腑抜けた姿を見せたら一緒にいるお前たちの沽券にだって関わるだろ。と思ってカミュは意気込んでいたのだが、イレブンは何を心配しているんだか。

「でもあれじゃ一緒に戦う人たちまでびっくりしない?」
「そうかあ……?」
「僕いやだよ、君が性格の悪い悪党みたいに思われたらさ。カミュはとってもかっこよくて優しいひとなのに」
「……お、おう……別にオレは、どう思われてもいいけどな」

 誰にどう評価されようが些細なことだ。だってこんな風にまっすぐに、自分を思ってくれるようなやつがすぐ隣にいるのだから。

「僕はやなの! ……でも今回は僕も一緒だし、誤解されたら解くよう頑張るね!」

 隣でこぶしを握るイレブンは、謎の気合いに満ちていた。それは頑張りどころが違うんじゃないか、相棒。だがお前のキラキラした瞳を見てたら、何かもういっかってなるんだよなあ。

 カミュはそうだな、と頷いてイレブンと目を合わせる。

「それじゃオレたちのチカラ、見せつけてやろうぜ、相棒!」
「うん!」
 
 ドラ●ンクエ●トライ●ルズ、新リーダー実装は11月21日だぜ! よろしくな!




ありがとうばるずくん……
191110

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