盈月
明月幾時有 把酒問青天
 明月よ、幾時よりあるや
 酒を手に取り、蒼天に問う
 盈月は煌々と輝き
 負けじと華は美しい
 愛しき貴方を思い浮かべ
 今宵も海に浮かぶ 明月よ、
 今あの人は何処におわしますや
 果てなき盈盈一水の彼方に想う

月明星稀 烏鵲南飛
 月は明らか、星は稀
 鵲は南に飛んでいく
 あの鵲とは別れを告げよう
 歸去來兮 故郷
 孤の背中を照らす月明かりは
 宙より等しく万世を照らす
 月よ、どうか孤のこの想い
 果てなき彼方へ届けておくれ

 明月よ、幾時よりあるや
 往古を懐かしみ、酒を掲げよう


不応有恨 何事長向別時圓
 盈月に恨みは無いが
 何故孤が独りである時に
 満ち足りた、
 幸せそうな貌をしているのか
 月に叢雲 華に風
 今宵も待ち人来たらずんば
 如何にて夜を明かしむべきか
 盃を天に掲げよう

故郷安可忘
 故郷をどうして忘れられようか
 どれ程時が経ち
 どれ程姿が変わってしまおうとも
 故郷をどうして忘れられようか
 見守る盈月は相も変わらず大地を照らし
 君が帰るを待ち望む
 再び共に酒を飲もう
 共に再び 盃を天に掲げよう

 盈月に恨みは無いが
 如何して友の帰り道を照らしてくれぬのか


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