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You know I?-悪ノリお姉様-D
2011/06/27 月 22:21
karusaku
少しクセのある赤みを帯びた美しい髪。
手入れの行き届いた、絹のようの美しくなめらかな肌。
何度も見たってドキドキしてしまう、人形みたいに精緻な顔。
吸い込まれてしまいそうになるけど、ぐっと我慢をして。
そっとそっと、すべすべな黒子の額にキスをした。
ぴくりと黒子が反応して。
黒子が眼を開いてしまう前に、瞼にキスをする。
私のTシャツの裾を掴む、黒子の手を握りしめて。
『…黒子、目を開けちゃダメよ?』
『…は、はいですの…。』
そう言って。
ふるふると震えながら頬を染める黒子の頭を撫でる。
私は願いを込めて、黒子の瞼にキスをする。
--確かな予感はあったけれど、同時に、不安もあって。
"今日"という日が本当に来るんだろうかと思い悩む時もあったけれど。
あの部屋に住んでから洗濯物をするたびに、まだかまだかと待ちわびて。
ようやくたどり着いた"今日"。
あの日の約束通り、いつだって傍に居てくれた未来の恋人。
いつも私の事を1番に考えてくれていて。
私が間違った事をすれば、きちんと叱ってくれて。
私が傷ついた時は、誰よりも心を痛めてくれて。
誰よりも私を愛してくれていて。
黒子の事が大切で。
黒子の事が大好きで。
私には絶対に、黒子が必要なの。
だから。
"黒子、いつまでも私の傍に居てね"
--私は願いを込めて、キスをする。
『お、ねえ…さま…///?』
ぴくんぴくんと反応する、小さな黒子が愛おしい。
私の大切な大切な、恋人。
震える小さな恋人を、ぎゅっと抱きしめる。
とくんとくんと心地よい鼓動が聴こえる。
『…黒子、可愛い。』
この溢れる想いは、今の私では伝えられない。
この想いは、過去の私がちゃんと伝えるから。
『…だから…待っててね?』
目を伏せたままの小さな恋人に、触れるだけのキスを繰り返す。
大切に大切に、守っていきたいから。
白い首筋、鎖骨、肩とキスを落として。
恋人の温もりと香りを確かめながら。
想いを誓うように、そっと赤い痕を残していく。
黒子が私を想い続けてくれるように、その身体に、たくさんたくさん私の痕跡を刻み付けていく。
--黒子が恥ずかしさのあまりに気絶しちゃうまで、私の誓いは続く。
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『…黒子?』
『……。』
黒子は目を閉じて、顔を真っ赤にしたまま気絶していた。
ちょっとやり過ぎちゃったかな?なんて思ったけれど。
今日一日の記憶を飛ばしちゃわないといけないから、ちょうどいいわよねと言い訳する。
時計を見れば、もう18:13。
机の上にカエル型の携帯電話と財布を並べて。
その隣に、1枚のメモを残した。
ベッドに横たわる未来の恋人の頭を撫でて、こっそり囁く。
『…黒子、大好き。』
真っ白なシーツを頭から被って。
未来の恋人の隣から、床へと転がり落ちた。
私の視界は暗転して---
これはさようならじゃない。
これは始まりなんだと信じながら。
"You know I?"
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あとぐわし
ここまで御読み頂きまして、誠にありがとうございました。
悪ノリお姉様は書けば書くほどギャグに進んでしまう…っ!という困ったちゃんでした。
You know I?シリーズこれにて完結です。
本当にありがとうございました。
かるさく
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