jealousy
ただ、ヅラと話してただけなのに……。
「はっ…あぁ、ん……ふあ、ぁ」
ただヅラと二人で飲みに行っただけなのに……。
「ゃあ……んン…あ、あぁ……やっ」
何でこんなことになったんだ……。
俺のモノにはリングがはめられていて、右手首は右足首に、左手首は左足首に縛り付けられている。それに俺の秘部にはバイブが入れられている。勿論土方に。そうなったのは昨夜に起こったことが原因だった。そうだ、全部あいつが悪いんだ。
あいつ……ヅラの野郎が俺に泣きついてきやがったせいだ。
【jealousy】
「おいヅラ、何なんだよこんなとこ呼び出してよぉ」
「ヅラじゃない、桂だ。銀時、お前を呼び出したのは他でもない。また……またエリザベスが捕まってしまったのだ!……だから銀時、一緒に……っておいっ待て、なぜ帰る!」
「だぁーっ腕掴むな。んなこたぁ自分で解決しろ!!俺には関係ない。お前のペットだろうがよ!!」
「なっエリザベスはペットではないっ!エリザベスは…エリザベスは…俺の親友だぁぁぁぁ!!!」
居酒屋の店の中で声を張り上げて言うヅラ。俺はそれを無視して店を出て行こうとする。が、またヅラによって阻止さそうになり、ヒョイッと避けるも、避けた拍子に思いっきりヅラの足につまづいてしまった。
と同時に、
ガラッ
「土方スペシャル一つ」
そう言いながら入って来たのは、勿論土方で、俺は転けていて、しかも俺の上には一緒に転けたヅラがいる。そんな状況で、俺はヤバッと思うも、どうしようもない。
なんせ俺は今日、土方との約束をキャンセルしてヅラに会っていたから。
「……よ、よう」
戸惑いながらも俺は土方に片手を上げて声をかける。だが土方はそれに応える気はないらしく、黙っている。しかもじとり、と下から上に俺を見下ろしていた。
――――――――――
―――――――
――――
それから俺は、何も言わない土方によって、万事屋に連れて行かれた。
テキパキと俺の手首と足首を結と、俺のモノ思いっきり扱きやがって完勃ちにされ、そこにリングをはめられた。そのうえ俺の秘部もあんまり解かないで……バイブを突っ込まれ、スイッチを最大にされた。そんな状況じゃ、イきたくてもイケないわけで……正直気が狂ってしまいそうだった。そして……それをされたのが数時間前で、今の状況にいたる。
「土……方ぁ…も、イか…せ……て、くれ。ァアア、ヤ……ダ」
苦しい。
俺は土方の名を口に出すが、その本人はそこにはいない。リングはめてバイブ突っ込んだ後、すぐに出て行ってしまった。バイブが俺の秘部の、前立腺にあたるたびに体が跳ねる。そのせいで絶頂は何度も来てるが、自身にリングがはめられているのでただただ空イきするばかり。気が遠くなる程気持ち良い。つーか、射精出来ないで、辛い。
「はぅっん……ん、ンンン……!ゃ、ふぁあ!……ぅんンっひ…じ、かた…ぁ」
居ないとわかっていても、つい名前を呼んでしまう。早く戻って来て欲しい。そう願って土方の名前を呼んでいたら……
「すげぇ姿だな、おい」
すぐ後ろ、耳元で囁かれたのは土方の声で……土方はすぐ後ろにいた。俺は聞こえるか聞こえない位の声で、何で……と言う。だがそれにも応えないで……いきなり完勃ちしている俺のモノを扱いた。俺はビクッと体を震わせる。土方は、俺がイきたくてもイケないのをわかっているのに……顔を嫌だと横に振っても止めてくれない。
「ふぅ、あ、あぁ……アンン!土方…ぁ」
名前を呼んでも返事をしてくれない。俺は土方の愛撫に体は喜んでいる。だけど心は苦しくて、痛くて……俺を見て欲しい。一緒に感じたい。
「ぃ……やだ……やだ…ぅ、ふぅう」
土方が怒っている。ただそれだけはわかる。だけど何で……こんな酷いことを……。
「ふっ……ぅう、っ……ぅ…っ……」
そう思ったら、涙が溢れてきて……止まらなくなった。
俺が泣いているのに気が付いた土方は、後ろからぎゅっと俺を抱きしめた。その腕は温かくて……優しかった。そして土方に尋ねる。
「な、んで……んなこと…するん、だよ」
その質問にしばらくは口を閉ざしていた土方も、小さくため息をつきやっと口を開いた。
「お前が……桂の野郎と会ってるからだろ」
……え?
「お前が俺との約束断って野郎と会ってっから……」
これはもしかして、
「お前と他の野郎が喋ってたりするとムカついてしょうがねぇんだよっ」
嫉妬……?
こいつが……?いつもクールでマヨネーズ以外には興味なさそうな…こいつがか?
そう思ったらクスリと笑いが漏れた。
「何だよ」
照れくさいのか、土方は少し頬を赤く染めている。何でもねぇよ、と言ってやった。そして俺はクルリと後ろを向き土方の胸に顔を埋めた。
「俺が他の野郎のとこなんか行くかよ」
いつもなら俺はこんなこたぁ言ってやんねぇ。むしろ嫌みばっかりで……土方を怒らせてしまうことを言ってしまう。
「こんな薄汚ぇ俺を好きなもの好きな野郎なんざこの世にお前位なもんなんだよ……」
だからこれは俺の精一杯の言葉。これからも俺は土方のもんだ、っていうな。
「あぁ……そうだな」
ふっと柔らかく笑った土方は、俺に優しくキスした。そんなことされたら俺の理性が抑えきれなくなる……。
「……土方が、欲しい」
俺自身が疼いている。土方のモノで俺を責め立てて欲しい。土方は目を見開いて驚いたが、ニヤリと笑うと俺のモノをゆるゆると動かしていた手に力を入れる。
「はっあぁ!……ふぅ、んンっ…な……んで…ンんっ」
激しく動かされ、俺のモノは腹につくくらいそそり立っている。出したい。だが俺のモノにはまだリングがはめられたままだ。
「リ…ング、は…ずせ……よ」
「まだ駄目だ。我慢しろ」
はっ!?我慢しろだと!!?ふざけてんのか?こいつっ……我慢出来ねえから取れっつってんのに。
そんな悪態をついていたら、土方はいきなり俺の秘部に入っていたバイブを動かし始めた。
「ひゃあっ……に、すんだよ……。あぁぁあ、ひぅっゃあぁん……」
バイブの電源が入ってんのに動かされて、俺は空イきするばかり。
「わかってんのか?これはお前が他の野郎んとこに行かねぇように躾てやってんだよ」
なっ――……躾って何だよ。俺はお前以外の野郎んとこには行かねぇっつの!何でわかんねぇんだよっコノヤロォォォ!
俺がせっかく…欲しいとか言ってやったのによぉ……。
「お前、わかってねぇだろ。自分が野郎どもからどんな目で見られてんのか」
「は…ぁ?……っぁ……ん…だよ、急……にっ…ぃ」
「だからお前みたいな無自覚はそれわからせるために躾が必要なんだよ」
「な……んで、俺が……無自覚っ……なんだ……よ」
ヤバい、意識が朦朧としてきやがった。焦点も合わねぇし……。
「お前、無意識に野郎共を惹き付けてんだよ。その……体がよ……」
「な……ぁ、ぅあぁ」
土方が何考えてんのか全然わかんねぇ。目の前に居るのは土方であって土方じゃないような気がしてきた。そう思ったらまた涙が溢れてきた。
イきてぇ。
イきてぇイきてぇイきてぇイきてぇイきてぇ………。今の俺にはそれしか考えられなかった。空イきばかり。だらだらと俺のモノの先から流れ出す先走りの量は半端ない。ガタガタと体が震えてんのがわかる。
「ぅん……っ……ぁ………ゃんンン」
段々声もかすれてきた。そして――
「はぁあ……お、俺に…は……てめ、ぇだけしか……ふぁ…ンん……ひ、必要……っ……ねぇん、だよ」
そこで、俺の記憶が途切れた。その途切れる瞬間、土方が舌打ちしながら虐めすぎた……、とポツリと言ったのが聞こえたが、俺は何も言い返せなかった。
――――――――――
―――――――
――――
そして朝。
目が覚めると、横には気持ちよさそうに寝ている土方がいた。手首足首に縛り付けられていた紐ははずされていて、モノにはめられてあったリングも、入れられていたバイブも取られていた。後始末もちゃんとしてくれていたようだ。
まじまじと土方の顔を覗き込む。気持ちよさそうに寝てやがる……。今さらだが、土方の寝顔を見るのは初めてかもしれない。いつも早く起きて仕事に行くからな、こいつ。
整った顔してやがる……。寝顔も格好いいっつーのは……なぁ?
「んン、ん〜……」
「ぉわっ……寝返り、か?」
寝返りをうった土方は服もはだけていて、色っぽかった。……俺のこと他の野郎共を惹きつけるっつってたけどよ、てめぇの体も充分他の野郎共を惹きつけるっつーんだよ。しかも野郎しかいねぇとこで仕事してるしよぉ……。なんて、俺が思ってるなんて思いもしねぇんだろうな。
そんなことを考えてたら無性に腹が立ってきた。だから寝ている土方の首筋。しかも目立つところに思いっきりキスマークをつけてやった。いつもなら仕事に支障が出るからと、土方は目立つとこにつけられるのだけは拒んできた。だからこれは嫌がらせ。土方を困らせてやろうという。
それともう一つ。
悪い虫がつかねぇように……。
―end―
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