十六夜 奏威様へ《相互記念》


 
「ひッ…ん!ぅんンッ!」

 ぐちゅ、と思わず耳を塞ぎたくなるような音をたてながらピストンを繰り返す土方に、俺は必死になってしがみついている。両足を持ち上げられ、支えてるのは結合部と土方の腕だけ…。


「んっ!…も、無理ッ…つって、…んっ……ぅ、ぁあアッ!」

「ちゃんと、面倒見るって言った…だろーが…」

「ふっ…ッん、ぁッ!」


 自分の体重で奥の深いとこまで突かれる上に、更に土方は前立腺をガンガン下から突き上げさっきから激しく快楽を与えてくる。

 こうなったのも、土方が休憩に入る前……30分位前に遡る。





【非常識】





 12時もとうに過ぎた頃、俺は依頼の仕事帰り、ぶらぶらと町を歩いていた。すると目の前には見覚えのある顔ぶれが3つ。


「おや、万事屋の旦那じゃねーですかィ」


 最初に気付いたのはS王子、こと沖田くん。俺達の関係を知ってか知らずか、チラ、と土方を横目で見て笑い、俺は最悪だよ…と思わずぼやいて一歩後ずさる。が、考えてみれば今は昼もとうに過ぎた頃で、俺は仕事帰りだから何にも食べてない。そして目の前には金を持ってそうな奴が3人も。

 …たかるか。

 そう思ったつかの間、俺ね腹は盛大な音をたてて鳴り響いた。いや、わざとじゃないから。ないからね、これ。勝手に鳴ったんだからね。


「お腹が空いてるみたいですぜ、土方さん」

「お腹が空いてるみたいだぞ、トシ」

「何っで俺なんだよ!」


 と、一人大袈裟にツッコむ土方。


「そんな訳で土方さんは旦那を飯に連れて行って来て下せィ。なぁに、心配はいりやせん。その間は俺が副長をしときやすんで、安心しなせェ」


 なんてすっげぇ副長の座奪う気満々で言ってる沖田くんに「テメーが一番心配なんですけどォォ!!」って叫びながら沖田くんを追いかけ回してる土方。だけど、捕まることなく逃げる沖田くん。二人のやり取りは面白い。
 面白いんだけどね、俺、今すっげぇ腹減ってるからね?現在進行形でお腹が大合唱してるからね?


「総悟!テメッ…!!?うわっ!…っにすんだ万事屋!!」

「飯行くなら早く行くぞ。俺、今なら何でも食えちゃう気がするわ」

「ならそこら辺の雑草食っとけよ!」

「いやいや、たかれる奴が目の前にいるっつーのになんでそんなもん食わなきゃなんねーんだよ」


 土方の腕をがっちり掴み、半ば引きずるように適当な定食屋に入った。そこで俺は勿論これを頼む。世界のどんな物よりも美味い一品。


「へい旦那。金時丼だ」

「あ〜。これだよこれ。これがなきゃ万事屋銀さんはきらめかないんだよ」

「はあぁぁあ!?てめっ何ふざけたこと言ってやがんだよっ!その目のどこがきらめいてんだ!?死んだ魚の目じゃねーか!」

「いざという時にきらめくんだよ!この金時の艶みたいにきらめくんだよ!」


 ガッガッと金時丼を掻き込みながら言う俺見て土方はうっと呻き、顔を背ける。目じゃなくて顔を。
 いやいや、顔を背けたいのは俺も同じだからね?その多串くんの目の前にある犬のエサは何?多串くん的に言うとカツ丼土方スペシャルらしいんだけど…それ、明らかに可哀想なカツ丼じゃん。ご飯にカツ丼にマヨネーズって…どんだけカロリー取る気だよ。それ絶対俺よりカロリー高いよね?

 食べ終わった後も俺達は一緒にいた。

 

「あー、食った食った。やっぱ甘いもんは食わねーとな」

「お前の場合は食いすぎだけどな」

「いやいや、多串くんのマヨには負けるからね?」

「俺はいいんだよ!にしてもあの量!お前あの変な気持ち悪ぃー丼何杯食べてんだよ!」

「あれだよオメー。お前は俺の面倒見なきゃっつー使命がだあんだろ?二人に任されたじゃねーか」


 俺は数歩前に進んで土方が横に居ないことに気付き、後ろを振り向いた。


「どーしたんだよ」


 そこには口端を上げ、こちらを見ている土方の姿。何だこいつ…と思った瞬間にはもう腕を引かれ、家と家との隙間。人一人がやっと通れる位の薄暗い道とも呼べないところに引き込まれた。ダンッと背中を壁に押し付けられ両腕をひとまとめにされた上に土方の空いている片方の手は器用にも俺のベルトを外していく。


「ちゃんと最後までお前の面倒、見てやるよ」

「え…ちょ、んンッ」


 くちゅ、と唇を重ねられ、反論の言葉も飲み込むしかなかった。
 面倒って…そっちの面倒は見なくていいっつーの!!





――――――――――
―――――――
――――





 で、今の状況。


「っん!…はっぁ、あ!」

「声抑えんじゃねぇ…。しっかり掴まっとけよ…」

「え…!!?あっー!んぁ、あッ」


 ギリギリまで引き抜いたと思ったら一気に下ろされ身体が痺れるようなすっげぇ快感が走る。それを何度も何度も繰り返されれば、俺はもう何もわからなくなって、ただ快感に任せて白濁の液を吐き出すばかり。そしてもう何度目かもわからない射精をした時、俺の締め付けに耐えられなかった土方はドクン、と俺の中に欲望を吐き出した。


「っ……くッ」

「んっあ、ぁあッ…お、おま…何…中、出し…っして…」

「テメーの締め付けが、善すぎ、んだろが…」

「っ!!」


 ぐちゅ、と俺からモノを抜く土方は少し息を弾ませてて、すっげぇエロい。しかもあの息を整えてる時の微かに漏れる声とか咳とか…多分こんなんは俺だけしか知らないし見れないんだろうな…とか思ってる俺は恥ずかしくなり思わず土方から目を逸らしてしまう。
 そんな俺の顎に手をかけ自分の方に顔を向けさせられると、土方は軽く触れるだけのキスを落とし、「んな見とれんな」と優しく笑った。
 んでそんなキザなこと言えんだよ!…でもそれがカッコいい。それは認める。けど……。
 ツウ…と太ももを流れる土方が出した欲望。

 これだけは認めねぇ。

 だから無理矢理土方の首に巻いてあるスカーフを奪い、それでべとべとの身体を拭いていく。本当は身体を洗い流したいんだけど…それも今の状況じゃぁ流しに行くどころか人前にも出れやしねー。


「バッそれ、スカーフ!」

「ひ〜じか〜たく〜ん?ここ外なの、わかる?外!んなとこで盛って俺の身体べとべとにして何様だよ!」

「……っ…」


 早く帰って身体洗いてー。
 とぼやきながら身体を拭いて服をきちんと着ていく。土方は悪いと思っているのか少し落ち込んでいるように見える。

 ………あーもーっ!

 投げやりにスカーフを渡し、ぼそりと呟く。


「野外っつーのもいいけど、今度から中出しはすんなよ」

「は!?」


 呟いた途端に俺は背中を向け万事屋まで走った。太ももを伝う感じが気持ち悪いが、そんなことにかまってられない。兎に角今はこの真っ赤になった顔を誤魔化したかった。





―end―





―――――
十六夜 奏威様へ
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相互大感謝です!
こんな駄文サイトて相互なんて…感激すぎですよo(^o^)o


そんな訳で相互記念として小説を書かせて頂きました!
リクエストが土銀で野外プレイとのことだったんですが…あれ?野外プレイ…になってるんでしょうか…?

なんかぐだぐだしてて意味不明な小説ですが、良ければどうぞ貰ってやって下さいませ(>_<)



本当に本当に相互ありがとうございます!


そしてこれからよろしくお願いしますm(__)m

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