警戒心


拍手感謝小説!!

土方+沖田×銀時
つまり3P
苦手な方はブラウザバックでお願いします。

――――――――――





 「ちゃんと行ってくんだよ!寄り道なんかしたらただじゃおかないからねっ」


 なんてことを扉の前で半ば脅すように言うのは今からお使いに行く俺を養ってるババア。それに対して俺は鬱陶しいのを表にだして返事をする。


「わーってるよ。見舞いに行きゃーいいんだろーが」

 手にはババア、ことお登勢が無理矢理持たせた見舞いの品が袋に入れられ握られてる。それを持って家を背にして森の中にひっそりとたたずむ病気のばーさんのとこに見舞いに行く。





【警戒心】





 がさがさと草木をかき分け、道なのか?と思うほどに荒れ果てた道を進んで行く。するとすぐ近くからいきなりの銃声。パァンッと乾いた音の方に目を向けたら、人の影がこちらに近づいて来ている。手にはさっき仕留めたのか、だらりと垂れ下がった野うさぎが握られてる。


「誰だテメー…って」


「万事屋…赤ずきんの旦那じゃないですかィ」


 いや、そんな無理に言い直さなくてもいいからね?
 目の前に立った沖田いや、ドSな猟師は驚いた風でもなくいつもの口調で言った。


「何やってんでさァ。こんなとこで」


 俺がこんな森の中で、手には袋を持っているのが珍しいらしいが、さっさと行って戻って来い、とババアに言われたのでこいつと暢気に喋ってる暇は俺にはねぇ。


「生憎俺ぁお前と話し込んでる暇はねーんだよ。じゃあな、ドSの猟師サマ」


 立ち去ろうと一歩足を踏み出すと、わざとらしく思い出したようにドS猟師はあっと呟いた。


「旦那…もっと森の深いとこに行くなら気を付けた方がいいですぜィ」

「?…何でだよ」


 クッと笑ったと思ったら一瞬にしてドS猟師に詰め寄られ、お互いの鼻が触れるギリギリまで攻め寄られた。


「なっ…!!」

「こーやって、食べられちまいまさァ」


 クチュッと噛みつくような口付けをされて戸惑い、頭を引くもドS猟師の手が頭を押さえてきて、呆気なく身動き出来なくなった。


「ん…ぅん…」


 頭や体をどう動かそうとしても、見た目からは想像つかない程の力で押さえつけられて動けないうえに、背中は木があってどうにもならない。
 ンでこいつは…


「奥にはもっと酷いことする狼がいるんでさァ」


 唇を舐めとるように舌を這わせると体を退かし、やっと身動きが取れるようになった。ハッと息を吐き出すと自由になったことを実感し、ずるずると木の根元に座り込んだ。


「気を抜いてると犯られちまいまさァ」


  狼が出てくるから気を付けろってか。んなこたぁわーってんだよ!けどな、俺だってババアに借金してンだよ!それさえしてなけりゃぁこんな頼み聞いてねーんだよ!!
 兎に角。今は急がなきゃなんねーんだからな!
 立ち上がり、猟師を一睨みすると俺はズカズカと森の奥へと歩いて行った。その時俺は、背中に目線を感じたが気にも止めなかった。








 木々が生い茂り日の光も届かぬ位の深い森の中。やっと目の前に小さな木の家が現れた。


「やっと着いたか…」


 と安堵し、乱暴にドアを叩く。


「おーい、ばーさん、借金取りのババアから頼まれて見舞いに来てやったぜ」


 だがドアの向こうからは何も聞こえてこない。シカトですかー?と言ってみても何も返事がない。面倒くせー、とぼやきドアノブに手をかける。すると少しドアを押すとギィ…っと古い扉特有の音をたてる。家の中は家具らしきものは少なく、全てのものが古く埃っぽかった。
 家に入ると一番奥の窓の横にベッドが有るのがわかる。そこにはこちらに背を向けて眠る人の姿があった。
 ギシッと床の音をたてベッドまで近づく。勿論起こすために。


「おい、起きやが――…!!ぅわっ!」


 何だ!!?
 あっという間に俺はベッドに引き込まれて、押さえ込まれてしまった。それの素早さに俺は少しの間何が起こったのか理解することも、体を動かすことも出来なかった。


「おいおい。猟師に言われなかったか?気を付けろってよ」

「テメッ――…!!?痛っ!」


 腕には指が食い込み痛みが直に伝わってくる。その痛みに俺は顔を歪めるが、それでもなおも力を込め体重も加えられる。


「何しやがんだよ!」


 叫んでみるがばーさん。いや、話しの流れからすると狼か…。狼の土方は気にする風もなく俺を真っ直ぐ見詰める。が、俺の目から目線が少しズレてる。顔の下あたりを見ているような…。

 口…か?何で…。

 不意に俺の左腕を掴んでいた土方の右手が離れ、俺の唇を指でなぞった。俺はその時の土方の目がすっげぇ鋭くて、その威圧感で動くことが出来なかった。


「気をつけてねーからされるんだろ?そうだろ?ここに来る前にキス、されてたもんな」


 怖い

 声のトーンをいつもより低くして言ってるのもあるが、土方の顔に表情がないのがよけいに俺をビビらせる。
 こいつ…何で俺が猟師にキスされたこと知ってんだ?あの時は俺と猟師しかいなかったハズ…。いや、まさか…あの時の目線、土方のなのか?


「なぁ、どんな風にキスされたんだよ。あの猟師によ」









「んぁあっ…はぁ…んンッあ、や…ちょっ止め、…っあぁ!!」


 ギシギシと体の一番深いところをガンガン突かれる度に軋むベッドは、俺と土方の汗や精液でぐちゃぐちゃに濡れ、乱れていた。さっきからどのくらい時間がたったのかも分からない。土方に散々攻め続けられて俺はただ喘ぎ声しか出なかったが、声を出しすぎて今はもう掠れた声しか出ねーし…。


「ぁあッ…や、あ!んぁあ!…っは…ぁ!」


 胸の突起を摘まれ、指で転がし押し潰されれば、それだけで足の先から頭の天辺まで電流が走るような感覚が俺を襲う。


「あ…ふっ…ぅ、あ…」


 それがすげぇ気持ち良くて俺の自身はもう勃ってんのにそれ以上に腹に付きそうなくらいに上を向き硬さを増す。


「あ、ンぁあ!…っぅ…ぁああッ!」


 グチュッて中の土方のモンを動かされれば俺は思わず背中を仰け反らせ喘いでしまう。その感じてる顔を土方は目の前で見て口端を上げる。なんたって土方が覆い被さって行為をしているからどう足掻いても感じてる顔を見られてしまうわけで、だけどその見られているってことにも感じている情けない自分がいるのも事実。


「んな顔して誘うな…」


 パァンッ


 いきなりの銃声。だが俺はさっきの猟師が狩りでもしてんだろう、と気にしない。いや、そんなの気にしてる余裕すらも土方は与えてくれなくて、土方も気にしてる風でもなく俺を攻め立てる。
 するとガチャリ、とドアノブを回す音が部屋に響いた。俺も土方もそれには驚きドアに目を向ける。目に入って来たのは…。


「なーにやってんでィ。んなとこで盛って…。旦那の声は外にまで聞こえてたんでさァ」

「なっ!!?」


 俺達のとこまで来たドS猟師は土方を一瞥した後、俺を見てすっと手を伸ばしてきた。ビクッと体が手を拒絶するが、土方に押さえられているため動くことが出来ない。顎に指を添えたと思ったら無理矢理ドS猟師の方を向かされた。


「なぁにエロい顔してんでさァ」

「してっんン!!」


 してねぇ!そう叫ぼうとして口を塞がれた。驚きのあまり塞がれると同時に入ってきた舌にもあえなく侵入を許してしまう。
 勿論、沖田の舌に。


「ふっ…んくッぅんン…」


 くちゅ、と舌を絡められる音が聞こえてるハズなのに…何で何にも言わないんだよ。
 目の前で俺がキスされてるってのに土方は無表情で興味なさそうに俺を見ている。
 そんなに…キレてんの、かよ。


 嫌だと身を捩るが土方は決して押さえてる手を放さない。放さない変わりに口を開いた。


「その口でキスしたんだったな…。なら最後までその口で世話してやれよな」

「なッ!!…」

「何でィ。旦那、その口で奉仕してくれるんでさァ?」


 ぞくり、と嬉しそうに笑い肩を震わせベルトに手をかけるドS猟師。俺の目の前に半勃ちしたモノを持ってきてくわえるように促す。
 何で土方以外のモノをくわえなきゃいけねーんだよ!!


「い…いや、だ」

「くわえろ」

「っ…」


 否定したとたん、バッサリと土方によって切り捨てられた。
 そんなに怒ってんのかよ…。

 体だけ横を向いて恐る恐る目の前のモノに舌を這わすと頭上で少し息を詰めたのがわかった。
 根元から裏筋を通り亀頭まで舐め、先走りが出てきたモノの先端に吸い付く。そうしたらドS猟師の体がピクリと反応し、口に入れろ、と促すように後ろ髪を掴まれモノを押し付けられた。
 くそっ何で俺がこんなこと…!
 そう思っても土方は何にも言わない。言ってくれないっ…。

 モノを口に含んだ途端に口は青臭い匂いに包まれ、苦い味が広がった。噎せそうになるのをこらえ、歯を立てねーように舌を動かす。手は土方が押さえてっから使うことが出来ねぇし。


「ヤバ…。土方さんはこんなこといっつもさせてんでさァ?」

「上手いだろ?だが万事屋、そっちばっかでこっちにも集中しねーとな…」

「っんンッ!んンっー!んくっ…んンン!」


 いきなり中のモノ動かすもんだから、その衝撃に思わず歯を立ててしまいそうになる。ガクガクと揺さぶられればその衝撃と快感に目の前が真っ白になって何にも考えられなくなる。けど頭を無理矢理動かされれば、俺の意思とは関係なくすぐさま現実に連れ戻されるわけで。土方が与える快楽に口を動かすのを忘れていたらしく、ドS猟師が俺の頭を動かしてきたから…。


「旦那ァ…一人だけ気持ち良くなるのは駄目でさァ」

 動かされるもんだから、喉の奥の奥にゴツゴツとモノが当たって噎せそうになるけど出来なくて、しかもモノから出てくる先走りも俺の唾液すらも飲み込むことが出来なくて口の端から溢れ出てくる。必死になってしゃぶって吸って奉仕すると、グチュッと根元まで突っ込まれたと思ったら口、いやもう喉の奥で熱い欲望が弾けた。


「んンっ!?っ…!!」


 まだ出しきれてない精液を絞り出すようにゆるゆると動かし出し切っていく。 俺は喉の奥に叩きつけるように出されたもんだから、吐き出すことは出来ずに強制的に飲み込まされた。





「そんなに…俺が他の男とキスしたのが気に食わなかったのかよ」


 情事が終わって、ドS猟師が狩りがあるからとさっさと帰って行った後切り出した。自分でも何言ってんだって思う質問だと思う。気に食わないって言って欲しい。だけど違う答えを言われたら…。
 すぐ傍でため息をつくのが聞こえた。それだけで俺の体は強ばった。


「そうじゃなかったら怒るかよ」

「!!土…方…」

「けど、お前は猟師からの忠告を聞いたのに猟師に襲われたんだよな?」

「ッ…それは!」

「襲われたんだよな?」

「ごめん…」

「お前は警戒心が無さすぎるんだよ。もっとしっかりしやがれ」


何か腑に落ちない気もするが、一応頷いとく。


「あぁ…」

「まあ、あれはいきなりされたことなんだろ。あと俺も猟師の奴にフェラしろっつったのは悪かったな」


そんな苦笑いしながら頬に手を添えられて言われたら許すしか出来ねーじゃねーか!
反則だろ、その顔ッ


「って…お前ばーさん役なわけ?」


はたと気付き尋ねる。


「は?布団に隠れてたんだから狼に決まってんだろ。しかも赤ずきんのお前襲ったしな…!!?ってェ!殴んなよ!」

「一言いらねーんだよ!」





―end―





―――――
あとがき
―――――
はい、赤ずきんを基にして書きました。
何か…変な話で申し訳あしません(+_+)

ですが、またこんな変な話を書く気満々な私がいます。
次は不思議の国のアリスを書いて見たいなぁ…なんて。





09/02/28

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