VCE0103
「名無しちゃん、ご機嫌いかが?」 「あ、求道女さま!ふふ、今日も元気ですよ!」 「よかった。毎日会うとはいえ、何かあったら心配しちゃうわ」 「そういってくれるの、求道女さまだけです」
「ねえ、名無しちゃん。今日は特別な日だって、知ってる?」 「そうなんですか?」 「ええ・・・今日は、その年いい子にしていたら、神の施しを受けられる日」 「いい子?私、施しを受けてなんて、ないです」 「ああ、落ち込まないで、名無しちゃん。施しを与えるのが求道女の仕事でもあるの」 「え、ってことは・・・」 「ふふ、とはいっても、いつものお菓子がちょっと豪華になったって感じだけど」 「わあ、嬉しいです!ありがとうございます、求道女さま!」 「私だけではないでしょう?」 「あ、そうですね。神さま、私に施しを与えてくださって、ありがとうございます」
「名無しちゃんのお祈りは、誰よりも綺麗ね」 「ええっ、なんだか照れちゃいますよ!」 「私よりも、よっぽど求道女に向いてるかもしれないわ」 「そんなこと、ないです。やっぱり、求道女さまは求道女さまじゃないと、駄目です!」 「嬉しいわ、ありがとう」
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