忍たま | ナノ

▽ 不思議体験

その日はいつも通りの日常だったはずなのに

「友よ…何処へ消えたり…」
裏山での実技授業を終え帰る途中に友人が隣から消えた。
心なしか何時もより森が静かな気がする。
「うぅ、早く帰らないとAランチのハンバーグなくなっちゃう」
急いで帰ろうと足を踏み出した瞬間滑った。
しかも何もないところで。

仮にもくのたま四年生。
少しぐらついただけで体勢が崩れるわけないのに強制的に感じるこれはまさか、近くに男がいる証拠である。

「ひゃあ!!」
「ぐえっ!!」
すってんころりんどういう転び方をすれば茂みの方に向かうのか、道から逸れて身体は茂みに向かい誰かを巻き込んで転んだ。
よく見ればこれでもかと傷んだ灰色の髪の毛、そして立派な眉とどこか聞いたことのある声、だが何処か雰囲気が違うと思うのは気のせいだろうか
「いてて、」
「あれ?竹谷…先輩?」
「あ?……お前、」
目の前の竹谷先輩は目を見開いて凝視してくる。なんだろ、気まずい、あとお尻何気に撫で回さないでください。

「わっ!!」

ガサリと上から何かが降ってきたとおもったらそれも見たことなる顔ぶれ。

「名前ちゃん、なの?」
「えっと…、はい、あたしは名前ですけど…」
なんか変だ。上から降りてきた不破先輩も鉢屋先輩もジーーーーーっと穴が開くんじゃないかと思う程見つめてくる。
「変装でもなさそうだな」
「つか、」
「ひゃんっ!!」
「胸小さくなったか?つか顔も幼いようなコレじゃあまるで…」



「三郎、ハチ持って帰ろう」


抑揚のない声で不破先輩が言い放つと鉢屋先輩と竹谷先輩は途端に青ざめた。
「は!?」
「ちょっ、待て!落ち着け雷蔵!!」
「やだ、持って帰る。」
「ええっと…???」
戸惑っていると竹谷先輩が苦笑いを向けてくる
「先輩達どうしたんですか?なんかいつもと違いますし…」
「お前はまず警戒して離れようとすることから始めろよな」
「やん!竹谷先輩!お尻撫で回すの止めてください!」
「おほー、可愛い可愛い」
怒るも先輩はニヤニヤして手は止めてくれずその次に背中に温もりが来た。
「不破先輩、ちょ、くるしいっ」
ギュッと抱きしめられる。
うーん?やっぱりなんか違うような…大きくなりました?いや、下の話ではなく体格の話ですよ????

「ちょっとだけ、食べちゃうくらいなら良いよね?」
「やっ、まってくだ、さ!ひん!!」
「あ!雷蔵ずるい!私も!!」

それを見かねた鉢屋先輩が参戦してくる。

「ちょ!やぁ!!何でそこで止めに入らないんですかぁ!」
「よし、なら俺もいいか」
竹谷先輩は一応最後の砦だと思ってたけど違った。
「良くなぁぁあい!ひゃぁぁあ!!」


挿入はされずともアレよあれよといいようにされてしまい行為がやっと治った頃に力の入らぬ手で衣服を整えながら3人と距離をとる。息も絶え絶えである。
「先輩たち今日変ですよ…なんなんですかもう、」
と、距離を取ったのに気づいた時には詰められていて不破先輩にガシリと肩を掴まれた。

「いい?名前ちゃん、この先僕らと絶対離れては駄目、てか離すつもりなんてないから覚悟して」
「ヒェ、わ、かりまし…た?」
有無を言わさない剣幕に了承の返事をする。
すると満足したように不破先輩はまたギュッと抱きしめると離れ駆け出していった。

「おい!雷蔵!!まったく、あー、そこでいい子にしてろよ?迎えが来るから」
「はい?」
竹谷先輩はわたしの頭をガシガシと撫でて笑顔で不破先輩の後を追う

「名前、また会おうな」
「またって、毎日ってぐらい会うのに…」
「その内わかるさ、心の準備しておけよ?」
「ふぁい?」
最後に鉢屋先輩が頬を包みムニムニしたと思ったら目の前から消えた。きっと彼らを追ったのだろう。
それにしても、いつも着ている制服と色違った気が…と思った矢先目の前の草むらから竹谷先輩がリバースしてきた。その後に続いて鉢屋先輩。

「名前!!!」
「いたぞ!!こっちだ!!」

「あれ、先輩達…?」
どうしてと言い終わる前に不破先輩が突進してきた。ぐぇぇ…
「探したよ馬鹿!!何処行ってたのさ!」
「あ、あるぇ…??」

先輩たちが言うには一緒に帰ってたはずなのに居なくなりしかも夕餉になっても帰ってこないあたしを探してた友人から話を聞き捜索してたの事。
さっきまで先輩達と一緒にいたのにと思うが、今の先輩たちはいつも通りだ。さっきの違和感と比べるとやはりさっきの先輩たちちょっと大人な感じだった。どう言う事だ?
そう考えてると竹谷先輩がスンスンと匂いを嗅ぎだした。え、なにやって…あ。

「…お前栗の花の匂いがするぞ」
「ここで何があった」
「…先輩達に良からぬことをされましたけど???」
「駄目だ、記憶が混乱してるんだ、急いで医務室に行こう」
「ええぇ???」
その後幻術を見せられて強姦されたとではというなんともまあよく分からない疑いをかけられ医務室でとんでもなく苦い薬を渡され床についた。
少し不思議な体験をしてしまった。





「あーーー、若い名前ちゃん持ち帰りたかった…」
「お前なぁ独占欲どうにかしろよ」
「さて、森を抜けたら帰ってこれたわけだしこっちの名前に夜這かけるのは早い者勝ちでいいか?」
「「望むところ」」




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番外編5ろ以外書きますとか言っててこれですよ、いや、ごろの日だからゆるしてください。
栗の花の匂いうぬんはお調べください( ˘ω˘ )




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