互いの交換(微甘）

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お題サイトDOGOD69様より









なぜかよくわからない。

どうしてこうなったのでしょうか。


神様仏様三成様、助けてください。



「何をそんなに膨れている」

「曹丕、貴方には関係のないことです。早く私から離れてください」

「先のことを気にしているのか。貴様も乗ったではないか」

「それは･･･っ乗ったのは認めます。しかし貴方と仲睦まじくするつもりもございません！」


つい数時前までは私の隣には、気難しくも優しいあの人がいたというのに。

曹丕と曹丕の姫様の間で勝手に決まった御遊び。

互いの恋人を交換し、改めて相手の大切さを想うという出鱈目な御遊びに私と三成は巻き込まれたのである。


「燐」

「馴れ馴れしく私の名前を呼ばないでください」

「三成の元へと戻りたいか」

「無論」

「今戻れば三成と甄が二人でいる。何をしているかわからんぞ？」


絶対絶対ありえないって言いたいのに、言い返せない自分がひどく憎い。


三成と姫様が、仲良くしているだなんて･･･絶対に見たくない。

三成の性格は十分に理解しているつもり。

そんな簡単に相手の人に心開く性格じゃないし、女の人だと尚更のこと。



でも、姫様はすごく綺麗で聡明な人だった。

私よりも美しくて、

いろんなことを知っていて、

悔しい。苦しい。


こんな感情、私は知らない。









なぜかよくわからない。

なぜこのようなことになったのか。


燐、どうすればいい。



「何をそんなに膨れておりますの？楽しくお話いたしましょう？」

「お前には関係のないことだ。それに俺はお前と仲良くする気など毛頭ない」

「ふふ、おもしろいお遊びではなくて？あなたは何が気に入りませんの？」

「すべてが気に食わん。俺がお前と話をせねばならんのも、燐が奴のそばにいることもだ」

「それにあの子がこのお遊びにお乗りになったことにも気に食わないんでしょう？」

「･･･勝手に決め付けるな」

「ふふ、図星のようですわね」


つい数時前までは俺の隣には、五月蝿くも優しいあいつがいたというのに。

曹丕とこの女の間で勝手に決まったくだらん遊び。

互いの恋人を交換し、改めて相手の大切さを想うというくだらん遊びにあいつは乗ってしまった。


「ねえ、三成様」

「馴れ馴れしく俺の名を呼ぶな」

「あの子が戻ってきてほしいのでしょう？」

「あたりまえだ」

「ですけど、今は我が君と共におりますわ。もしかしたら誘惑されてるのではなくって？」


そんなもの、あいつが誑かされるはずがなかろう。

･･･が、それを否定出来ずにいる自分がいる。

あいつとあの男が、仲良くしているなど･･･絶対に見たくない。

あいつのことは十分に理解しているつもりだ。

あいつは俺が好きだと言った。



しかし、あの男は認めたくはないが、聡明である男だ。

父である曹操の覇道をも越え、我が道を切り開いた男だ。

勿論女にも慣れていて、堕とす方法だって知っている。


苦しい。憎い。


こんな感情、俺は知らない。









「もう駄目！曹丕、私帰る！」

「クク･･･そうか」


もう駄目だ駄目だ！

三成のことが気になってしょうがない！

もしかしたら姫様と一緒にいるかもしれないけど、ごめんなさいって言って三成を連れていっちゃおう！


「あれ？三成！？」

「燐･･･？」

「どうしてここにいるの？」

「お前こそ曹丕のとこにいたのではないのか」

「三成こそ姫様のところに！」


どういうこと！？

三成と姫様のいるところにいこうと思ったら、その途中に三成！？


「もしかして偽者！？」

「なんでそうなるんだ」

「じゃあホンモノ？」

「当たり前だ」


話をきけばどうやら三成も私とおんなじで途中に抜け出してきたみたいで。

私を信じられなかったことに、すまなかったって言った。

私とおんなじだ。


「三成、ごめんね」

「謝るようなことをしたのか」

「私も三成とおんなじだった。信頼してるし、大好きなんだけど、絶対って言えなかった。それに、姫様と一緒にいるって思うとすごく苦しかった。悔しかった。ごめんね」

「･･･お互い様だ。これからこんなくだらん遊びなどなくとも言い合えばいい」

「うん、そうだね」




今度は気持ちの交換をし合おうね。

好きって言い合って、

苦しいって言い合って、


きっとそうすればもっと大好きになれると思うんだ。








おまけ


「甄、様子はどうであった」

「我が君のおっしゃった通りでしたわ！あの二人、本当に似た者どうしですわね」

「フン、まったくだ」

「いやあ、お二人さん。ありがとうございました」

「左近。このようなくだらん茶番には飽いた。二度と持ちかけるな」

「そんなことおっしゃらないでくださいよ。最近の殿と燐サンちょっとぎくしゃくしてまして･･･何だかんだ言って結構楽しんでましたでしょ？」

「フン、余興には良いかもしれぬな」

「ふふ、また共にからかってやりましょう！我が君！」

「はは、それじゃまた頼みますよ」



「む？何の話をしておる」

「父上･･･」

「ああ、曹操さんじゃないですか。実は･･･(かくかくしかじか)･･･なんですよ」

「ほう？随分おもしろいことをしておる。次はわしも協力しよう」

「父上･･･！(驚愕する曹丕)」

「まあ！お義父様！共に参りましょう！」

「うむ」




どうやらこの御遊びは続くそうである。




end

(手始めに燐を誘拐しよう)
(まあ！お義父ったら･･･ふふ)
(この人たちに任せてよかったのか今更不安になってきましたね･･･)