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VMX!!平山ルート








「あー涼しいーきもちい〜」

パーティーの途中、なまえと平山は買い出しのため外へ出た
暖房をたいて男6人が騒ぐ部屋で火照った頬に冷たい風が吹く

「部屋から出たばっかりだからでしょ」
「だな、なんかやっぱ寒い」
「でしょうね…」

はい、と当たり前のようにマフラーを差し出す平山になまえは目を丸くしている

「いいよ、平山してなよ」
「オレは大丈夫です」
「俺も大丈夫だよ」
「先生けっこう酔いまわって体温上がってるだろうけど、
そんなんすぐ冷えますからね」
「はい…」

大人しくマフラーを受け取り、巻くと平山がうしろでくい、ととめる
ありがとー、というと別に、とそっぽを向いてしまう平山

「ほんとに平山はいいやつだよね」
「そりゃどーも」
「ほんとだよ、今日だってふと気づくとちょっと洗い物してたり、ゴミまとめてたり、
プロじゃん。女の人顔負け!」
「別にそれほどじゃ…」
「平山が嫁にきてくれたらな〜!」
「“嫁”じゃなくて“家政婦”の間違いだろ」
「どきっ」
「…」

はあ、と白いため息をつくとなまえはからから笑う
ほめてくれるのは嬉しいが、扱いが微妙につまらない
嫁と言われた方が嬉しいかと聞かれるとそういうわけでもないのだが。

「先生が嫁ならもらってやってもいいですけど」
「じゃあ平山は主夫になんの?」
「あんたどーしてもオレに家事させたいんだな…」

ははは!と笑うなまえに二度目のため息をつく平山
やがてふとなまえが口を開く

「俺が嫁なら、もらってくれんの?」
「え…?」
「ほんとに?」
「え、と…みょうじ先生…?」
「なあ平山、目つぶって…」
「え…」

なまえが平山の前に回ってそう言うと平山は当然驚いて戸惑う
が、なまえの視線に負けて目を閉じる
二人のクリスマスが始まるかと思われたそのとき…

《ビシッ!》
「いって!!」
「あはははははは!!!」
「な、なな、なに…!?」

平山の額に激しい痛み
言わずもがな、なまえのでこピンである
思わず額を押さえて見開いた目でなまえを見る

「ははは、ごめんごめん、あはは!」
「〜っ…!笑うなっ…!」
「ごめんってば!あはははは、平山かわいい!!」

上機嫌で笑うなまえの腕を平山は強く引いた

「…」
「…ふん、オレらとそうそう歳変わんないくせに」
「あ、え…」
「アホ面下げて、どうかしましたか」
「なっ…!お前〜!!」
「これは当分、お預けなんで」
「えっあ、それもしかして」
「先生のクリスマスは延期の方向で」
「ええ〜っ、ごめんってば、ねえ!平山くん!!」

まだキスを落とされたおでこを抑えたまま悲しそうな声を出すなまえに、
平山は背中を向けたまま満足そうにくく、と笑った





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裏設定
平山のプレゼントはなんだろう、そうだな・・・名刺入れとかかな
直でポケットに入れてたのを見て買ってやらねば…!的な。



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