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修復せよ!





《ピンポーン

生徒の呼び出しをします
2年B組の招待生、直ちに職員室へこんかァァァ!!》

放課後、突如スピーカーから鳴り響いた怒号に教室にいた者全員がしん…と静まる
モンハンをしていたなまえと袁紹は思わず顔を見合わせた




「ぬぁにしとるかこのバカモンがぁぁ!!!」

職員室前の廊下、一列に並ばされた2B招待生六人は黄中のハリセン六連発を見事に叩き込まれた

「いっつ〜…」
「早々に学校施設を壊すとは何事じゃあぁぁ!!」
「ちょ…ま、タンマタンマ!一体何のこと…」
「とぼけるとはけしからん!!!」
「いでっ!!」

再びハリセンを振り上げる黄中になまえが待ったをかけるがそれも空しく2発目がなまえの脳天を直撃した
ハリセンの攻撃力は年齢に比例せずまだまだ現役である
そこで司馬懿が頭をガードしながら恐る恐る前へ出た

「もしや…体育館のことですかな…?」
「体育館…?」
「そうじゃ!体育館の壁に穴開けおって!!」
「体育館の壁…?

…あー!!」

「『あー!!』ではないわァァ!!」
「ギャアアそろそろ頭割れる!!」

この間なまえ達2Bの7人が友情を育みあった場所…
言わずもがな、バレーコートとして使ったA体育館である
度重なる怪力アタックにより壁の一部に穴が開いてしまったのだった
その時は公共物損壊よりも人的被害の方が甚だしかったため目立たなかったのだが
再び黄中にハリセンを構えられては思い出さざるを得ない

「そこで主らには自ら修理をしてもらう!!」
「修理…?」
「そうじゃ!!自分で開けたら自分で直す!!肝に銘じよぉあ!!」
「いってええちょっ景気づけのノリで叩くのやめてもらえません!!?」
「強力な助っ人を呼んでやったわい!!主らも早く4人ほど支度をして向かうのじゃ!!」
「助っ人?」
「4人でいいのか?」
「では私は除外だな」
「なんでだよ」
「被害者だからだ馬鹿めが」
「ならばこの名族も身を引くべきであろう」
「ええ〜」
「じゃああと一人抜けるんだな。
…ん?あれ?人数足りねーずぇ」
「………あれ?皆いるよな?」
「出席とりまーす
司馬懿」
「いるぞ」
「名族」
「ここに!」
「孫策」
「はあい」
「馬超」
「馬孟起参上!!」
「甘寧」
「おうよ」
「張ォー遼ォ〜!!!!あのヤロォォ!!!」












「うわーこりゃひでーよ、誰やったのこれ、最悪」
「だな、心ある人間のすることじゃねえずぇ」
「卑劣な奴め!!この俺が成敗するっ!!」
「お前らマジかよ…」

体育館の壁が破れ、悲惨に開いた穴の前で何やら騒ぎ出すなまえ達
とうとう穴の前でポーズをとり、記念撮影まで始めた3人を甘寧が呆然と見守っていたその時後ろから声がかけられた

「おい、何してる」
「え?あ…」

そこにいたのは眼帯の下から鋭く4人を見る、ゆるめに結ばれた青いネクタイの長身の男と
黒い布を頭に巻いて学ランを肩からかけている、眼帯の男よりさらに長身の男
2人は何やら大荷物を軽々と持って甘寧の後ろに立っていた

「周泰サン!」
「……甘寧か…」
「てことは、強力な助っ人って工芸委員だったのか!わりいな、手伝ってくれよ周泰!」
「助っ人?ってことはお前らが開けたのか」

ぼそり、と呟く周泰に続き、眼帯の男は眉間に皺を寄せて顔をしかめる
その表情を見て馬超の後ろに隠れて見ていたなまえはあっと声をあげた

「うあ、あの時の…!」
「あ"…?」
「曹操様を追いかけてた…」
「…ああ、お前か」

いつの間にか馬超越しにガシッと頭を鷲掴みされるなまえ

「うぉっ!?あいだだだだだなになになに!!!」
「あの時はお前のお陰で孟徳を逃がした。良い仕事してくれたなァ…?」
「いだだだだだ違っ、た、助けてー!」
「どうせ夏侯惇の邪魔したんだろ、お前…」
「な、かんね…薄情者ー!」
「なまえ!イタズラは過ぎるなよ!」
「孫策まで…!なにこの信頼の差!?」
「お前かァァァっ!!」
「何が!?ってぐはあああ」

馬超の槍に吹っ飛ばされたなまえを周泰がなまえの首根っこをキャッチして地面に降ろしてやった
まるで犬か何かを扱うような周泰になまえはその筋力を尊敬しつつマジ泣きしそうになった

「…やるか…」
「ああ。お前らは邪魔だからあっちへ行ってろ」
「え、なんでですか」
「だから、邪魔だから」
「いや、でも自分でやれって…」
「俺達2人だけの方が捗る」
「あじゃあお願いしまーす」
「ってオイィ!!!」

へら、と笑って軽く手をあげるなまえに甘寧のハリセンが飛んだ

「だっ!!だからお前らは槍とかハリセンとかどっから出してんだよ!」
「そんなこと言うなよ夏侯惇!俺らだってやればできるんだずぇ!」
「そうだ!正義の名のもと、力を合わせようではないか!」
「ほら見ろよ、馬超だってあんなえらいこと言ってんだぜ」
「知るか。夏侯惇せんぱいは周泰先輩と2人でらびゅ☆愛の工事したいんだってさ」

一瞬で吹っ飛んでいったなまえをそのままに、修復作業が始められた






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