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ファミレスぐーたん2







「ぁ…あ!?」
「よ。楽しそうだな、みょうじ」
「い…

い、ち…じょう…!!!」


そこにいたのは、
メリメリとなまえの肩に食い込む手とは裏腹に、その端正な顔に爽やかな笑みを浮かべた一条だった
なまえは一瞬で血の気を失い絶句した

「「(修羅場キターーー!!!!!www)」」
「ここ、いいかな」
「ヒ、ヒイィィィどうぞ」

なにやらそわそわし始めたカイジと佐原の前でドサッとなまえの横へ腰を降ろして脚を組むと、コーヒーを頼んだ

「懐かしいな、昔の話かい?クククククク!」
「は、はは…いやね、佐原達が一条の恥ずかしい話聞かせろっつーから」
「(ちょっなまえ!?あくどっ!!)」
「ふーん?」
「ち、違いますよ〜みょうじ先生が是非聞いてくれって、愚痴混じりに話し始めちゃって〜」
「(お前もなかなかあくどいな!!)」
「なるほどな…?」
「とっとんでもございませんよ!あ。一条様ミルクお使いですか!?」
「うん?じゃあ頂こうかな、みょうじ君」
「くっ…屈辱…!」

唇をかみ締めて一条のカップにミルクを注ぐなまえを見て悪い顔でニヤニヤする一条を前に
だいたい二人の付き合いを理解した佐原とカイジであった

「知ってたか?お前のおかげであの場は逃れたんだぜ」
「あの場?」
「さっきお前らが散々笑った場面だよ」
「ぶふっ」

懲りもせず吹き出すなまえを一条はコーヒーを飲みながら睨む

「走って逃げたお前を見て俺がお前と付き合ってると勘違いしたみたいだぜ、その男」
「ふふ…え?…えぇ!?」
「ははは、天罰だななまえちゃん!」
「佐原もひどいな、光栄だろみょうじは。逆に俺の方が迷惑だね」
「なってめーちょっとイケメニだからって…!い、イケメニ…だからって…!」
「泣くなよなまえ…」
「カイジィ〜」
「で、一条先生モテたらしいっすね、特定の層にw」
「別にモテたわけじゃない」
「謙遜か?慣れないことすんなよ」

ちょっと刺をさしつつ、なまえの頭をぽんぽんしながらカイジが言う

「フン、まあみょうじよりはモテたかもね」
「うわああん!!」
「な、泣くなって…」

もらい泣きしそうなカイジの横で先程のテンションに戻った佐原が話を振った

「ハハハ!なまえちゃんモテなかったんだ!」
「うるせー!男友達と話す方が楽しかったんだもんね!死ね!」
「え、じゃあなまえちゃん付き合ったことないの?」
「う…」
「え…?」
「か、カイジまでなんだよその目!違えよ!ある!…2回ぐらい…」
「じゃあ童貞?」
「うん」
「ぶはぁ!!」

佐原のドストレートな質問に答えたのは一条
なまえは真っ赤になってむせている
一条はコーヒーカップを傾けながら過剰反応するなまえを顔をしかめて見やる

「な…な…!?」
「当たり前だろ?こいつにそんな器量あると思うか?」
「〜〜〜!!」
「泣くなっ…なまえっ…!」
「あらら〜ごめんななまえちゃん」
「ぐ…!るせー!大体なんでお前が答えんだよ!」
「いいだろ、俺にも暴露させろよ」
「…」(←言い返せない)
「いや…で、でもなまえらしいじゃん…!」
「そっすよ!オレもなまえちゃんが童貞じゃなかったらやだもん」
「はははは!わかるよ、オレもだ」
「くっそお前らよってたかって俺をなめやがって!もう!」

うわーんと机に伏せるなまえをカイジがまたぽんぽんとなだめる
が、それにぴくっと反応するなまえ
むく…と顔を上げると乱れた髪のままカイジをボーっと見た
意味不明の行動にカイジは頭にハテナを浮かべてぽかんとなまえのほうを見ている

「カイジは…」
「?」
「仲間だと思ってたけど相手がいるんだった…」
「は!?」「そうっすよなまえちゃん」「なんだそれ、初耳」

左からカイジ、佐原、一条である
コーヒーカップを机において悪い笑みにシフトチェンジした一条を見てカイジは慌ててなまえの口をふさごうとするが
よりタチが悪いのはなまえ佐原だということにカイジは気づかなかった

「美心さんと怪しいんですよ、カイジさん」
「うわーっ黙れお前!!黙れって!余計なことしやがって!!」
「ふーん、なるほど良い事を聞いた」
「カイジ、そんなに過剰反応するとガチっぽいよ?」
「『ぽいよ?』じゃなくて!!なまえが変なこと漏らすからだろ!!」
「えへへ、ごめん」
「え、あ…うん…」
「〜ってわけなんすよ」
「へえ…坂崎と、ね…ククククククク!!!」
「あれ、一条センセー美心さん知ってるんすか?」
「ああ、去年隣のクラスの副担だったから。坂崎はみょうじが副担やってたクラスだろ?
なるほどなるほど、いいだろうカイジ、このオレに任せな」
「何をだよ!!!佐原お前マジ後でシめる!!」
「素直になれない先輩の為にシめられながらも一肌脱ぐ…オレ今超カッコイイ…!」
「ヒューヒュー!!佐原眩しいィィー!!」
「FUCK YOU−!!!!!!」



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