5.迷いの森、見送り

 その時としては、いるのは神様でも英雄でもなかった。人と獣ですら曖昧だった。

 彼らは請われて英雄になったわけではなかった。だいたい英雄でも何でもない。ただ彼らは子供だった。子供であるから物語になりえた。空想や哀愁、正義や神話を行き来出来た。語り部の空想の中には、見知らぬきみたちがいる。

 そんなものは後世の連中の好きにさせれば良いのだ。
 きみたちは風に遊べ。世の法則のままに。
 神様を追いかけて行こう。先ずは竜の遊ぶ丘まで。


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