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そして始まる第二の人生

大警視に案内されるがままに後ろをついていくと、本庁を模した様な風貌をしてる建物についた。


「ここが我々、天国警察の本部、まぁ現世でいう警視庁だ。基本的に天国警察に現世の警察のような地方の署や県警はないんだがな」

「えっ、それ本部とかの話じゃなくてここしかないですよね?」

「細かいことは気にするな
おーい帰ったぞー」

「あっ警視おかえりなさーい
その人が新人さんですか?」

中にはファイルを持ったスカートの異様に短い婦警がフランクに大警視に話しかけていた。

「あぁ、そうじゃ」

「へぇ!はじめまして!
交通課の三橋愛澄です!
ミニスカポリスやってまーす!」

「よ、よろしくお願いします…!
日比野咲良です!」

「うわっマジで新人だ!
騙されんなよーそいつミニスカポリスとか言ってるけど元々は四課の警部───「ひーらーさーかー?」…ならちゃんと自己紹介しろよな…俺は平坂竜也。
元警視庁捜査二課知能犯係。死んだのは10年近く前だな…」

知能犯係って…頭いいんか…

「もー!せーっかく新人ちゃんには知らせたくなかったのにー!
しっかたないなぁ、改めて、警視庁捜査四課警部、まぁ殉職したから二段階上がって警視正だけど」

ん?警視庁捜査四課…?

「あ、今警視庁に捜査四課無くねぇ?って思った?」

「えっと…」

「そう!あたしが死んでから組織犯罪対策部に変わったのよー!ほんっと有り得ないわよねぇ!!
まぁ大阪府警と福岡県警と広島県警には残ってるらしいからちょーーっとは許してあげてるけど」

「ついでに言えばそいつ元々は大阪府警の四課出身だから気ィ付けろよー」

「平坂!ワレどんだけバラせば気が済むんじゃ!いてこますぞ!」

あっ!これ怖い人だ!

「よ、よろしくお願い致します三橋警視正!!」

「ほらぁー新人ビビった〜」

「お前のせいじゃクソ坂!!後で覚えとけや!!」

ちらりと助けを求めるように大警視を見るとやれやれと呆れていた。

「それ位にしておけ!
ほら、他を案内するぞ。澤村はどこいった?」

「あー、今日は見てないですよ〜」

「まぁた白澤様と衆合地獄でキャバ三昧してんじゃないですか?」

「またかあいつは…」

しゅうごう地獄はよくわからないがどうやらその人はキャバクラに行っているらしい。

「その、澤村さんっていうのは?」

「ここの刑事部長だ
澤村佳也警視長」

「えぇ…」

「ちなみに三橋は交通課兼四課、平坂は生活安全課兼二課、とまぁ兼任が多いんだ」

「…もしかして、結構人手不足だったりします…?」

「もしかしなくてもそうだよ
普通に考えて死んでまで警官やる物好きなんか少ないしな〜」

「若いうちに死んで、それも殉職なんて少ないしねぇ〜殆どの人はそのまま輪廻の輪に入るんだけど」

「ま、それが普通の流れだな」

なんて言っていると


ガチャっと扉が開いた。

「あ!澤村くんの言った通りだねぇ〜」

と白い三角巾?のようなものを頭につけて割烹着?のようなものを着た端正な顔の男性が入ってきた。

「あ!白澤様じゃん
じゃあ澤村さんキャバじゃないのかな」

「あぁ、澤村くんは最近引っかかったキャバ嬢引っ張ってるよ〜
ギリ賽の河原の15歳の子が衆合地獄のキャバに年齢詐称で働いててねぇ〜」

うわなにそれ。
普通にありそうなことすぎて引くわ。

「あー…
もしかして、烏天狗警察に任せようとしたけど『あんた達みたいな人外に何がわかんのよ!』的な事で話聞かなかった感じですか?鬼灯様も流石に亡者とは言い難い子に折檻できないですもんねぇ。
なんだかんだ優しいし」

「あの唐変木が優しいもんか!
逆だよ逆!烏天狗達があいつにバレたら折檻する!って慌ててたから澤村くんが引き継いだんだよ!」

「ワロタ〜!
で、澤村さんがこっちにとりあえず連れてくるってことでOK?」

「そうそう。
とりあえず1回お香ちゃんも交えて三者面談みたいになってるけど」

「なるほど」

「全く…彼も彼で面倒事を拾ってくるねぇ…」

「そんなことより!」

「うわ!?」

男性が急に手を握ってきた。

「君が新人の子?可愛いねぇ〜!
君みたいなカワイイ子が刑事さんなんて尊敬しちゃうよ!良かったら家こない?弟子もまぁいるけど気にしないでいいし!」

「は、はぁ…」

やばい、口元が引き攣る。
めっちゃマシンガントークだし…

「白澤様、そうやってすぐ女見ると見境なく誘うのやめてください。被害届そろそろ出ますよ」

「警官ナンパするのはやめた方がいいですよ〜
秒で訴えられるし。あ、日比野ちゃん嫌だったら投げたりしてもいいよー」

「えっ、いや、でも…」

「三橋ちゃんひっどいなぁー!
僕これでも神様なんだよ?神獣だよ?」

「マジで逮捕されないだけマシだと思ってください。ねぇ警視?」

「…もうどっちでもよい…全くお前達は…」

「まぁ三橋ちゃんは間違ってもナンパしないから安心してよ」

「それどういう意味?もしかして死にたいの?
額のその目潰されたいワケ?」

「ちょっ銃はやめて!死にはしないけど痛いから!」

「死なへんならええやろが。
ちょっと痛いだけや。ほら、その手ェどけてちょっと痛い目にあえや」

「ちょっ警視正っ!!ストップ!
頭撃っちゃ死んじゃいますって!」

「大丈夫よ〜
ほんとに死なないから!
あれ、もしかして聞いてない?」

三橋警視正がキョトンとこちらを見る。
しかし手の銃は未だにはくたく?様の額に押し付けられている。
けど、何のこと…?

「え?聞いてないって…」

「死なないよ。
だって私ら一回死んでるじゃん。
ココ天国と、地獄じゃ生物は死なない。
永久にここで時を過ごし続けるの。」


「…永久に…過ごし続ける…」

それはもしかして、

「半永久的に、生き続ける。
どんなに体を痛めつけても、どんなに体に異常をきたしても、すこし時間が経てば戻る。
この世界はそんな世界だ。そんな世界で、警察官として過ごす」

どうやら私は結構な安請け合いをしてしまったらしい。

そして始まる第二の人生

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