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異次元の狙撃手13

携帯が着信音を鳴らし、着信を告げる。
電話の相手は佐藤刑事。

『あ、美織ちゃん?』

「佐藤刑事、どうしたんですか?」

『実はね、スコット・グリーン、ケビン吉野の二人が昨夜から行方をくらましているの』

「…へぇ…」

『でも二人にはハンター殺害の動機がないから、私達もどうするべきかと考えあぐねているのだけれど…』

「…スコット・グリーンはハンターの教官で、ケビン吉野がハンターの教え子、でしたっけ?」

『えぇ』

「犯人である、なんて確信はないけど、ひとつ言えるのは…」

────人間が人を殺す時、その感情は
──────怒り、憎しみ──────
────────のみである訳では無い。

『それって…』

「大切だから故にその人を殺す人間だって世の中にはいる。歪んでるけど」

『…そうね…動機としては不十分だけど、
そういう人間もゼロではない…』

「あ、そうそう、小五郎くんのところいったんですよね?」

『え?蘭ちゃんに聞いたの?』

「いや、コナンくんから…
それで、小五郎くんの推理は?」

『毛利さんは…マーク・スペンサーの運転手、カルロス・リーだって…』

「え?」

『動機はスナイパーとしてのプライド。
カルロスさんはハンターに確定戦果どころか、射殺数も負けている、そこでハンターのアメリカでの射殺を聞きつけ、射殺数は80、カルロスさんはそれで日本で先回りし、藤波さん森山さんを射殺。記録は80でハンターに並び、最後、ハンターで81』

「…なるほど、筋は通ってる。
その線なら誰も驚きはしない…」

『えぇ、だからその線で捜査も動こうとしているの。一応私は美織ちゃんからも話を聞ければ、と思って電話したんだけど…』

「ま、時間が無いにしても一つ一つ可能性を潰すのも悪くは無いと思いますから…」

通話を終了し、ソファに腰を下ろす。

「…でも、そこまで単純かしら…」

「筋は通ってるのでそのまま終了してくれると嬉しいですがね」

「…赤井さんならどうする?実績が上の人間と、って」

「…ふむ、俺ならば…か
気持ちは分からんでもない。自分と同等やそれ以上の狙撃能力のある人間と戦いたくなるのは、狩る側としては本能的なものだな」

「じゃあ、もし小五郎くんの推理が合ってたとして、カルロス・リーの気持ちもわかるってこと?」

「あぁ。戦場で戦果を争うのはよくある事だしな。
だが、なんにせよ情報が無さすぎる。
確定するのはまだ早いだろう」

「んん…」

バタッと横向きにソファに倒れ込むと、赤井さん(沖矢さん)がパソコン画面を差し出してきた。

「ん?」

「そんな君に新しい情報だ」

「ジェイムズさんから?」

ハンターから摘出されたのは5.56×45mm。
今までで1番軽く、貫通しなかった。
狙われたのは頭部にも関わらず、すぐにハンターとわかるほど、遺体の損傷は少なかった。

「これ…」

「…かなり対象への気遣いが見られる。
まぁそれが、友愛か力の誇示の為かは判断つかんが…」

「どうして変えたのか、ってなると距離がないから軽くても平気、反動を抑えるため…?
でも、ミスってますよね…」

「二件の実績を見ても150でミスをするとは思えんな」

MK-11で過去二件はミスはない、しかし今回は半分以下にも関わらず、一発のミスをしている。

「…ジョディ先生からし…コナンに情報はいってると思うけど…」

「ほぉーぼうやもか」

「続き!見ましょう!えーっと!?」

やべぇやべぇ!!
まーじで新一にドヤされる!

*

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