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─────11:34

殆どの生徒は入学式後解散となり、親睦を深めようとそれぞれ遊びに行く。
勿論、ここ青道高校は様々な部活に特化しており、推薦入学などがある高校で、そういった推薦のある部活は昨日から部活がある。
選手は、だが。

「ね、咲良く…さん!
ウチらカラオケ行くんだけど良ければ行かない?」

「呼びやすい呼び方でいいよ。
無理に『さん』をつける必要も無いから」

『くん』呼びは慣れているし、慣れるまで相手の子に強いるのは幅かられて今から好きなように、と伝える。

「じゃ、じゃあ咲良くんって呼ぶね…!
男の子だと思ってて…」

「よく言われるから気にしないで。
それこそ小学校の頃は本当に間違えられたから」

────ガラッ

そんな会話をしてカラオケを断って私も部活に行こうとしてた時だった。
教室の扉が開き、派手な出で立ちの女子生徒が駆け込んできた。
どこか、見覚えがある気がする。

「!咲良くん!」

「えっと…」

「咲良くんでしょ!?
リトル野球でキャッチャーしてた!」

ガタッと机に手を着いて顔を近づけてくる女子生徒に驚くも、自分の経歴であることに間違いないから首を縦に降り、

「そうだけど…」

「私!三好愛華!!いっつも応援に行っていた!」

「…あぁ!」

思い出した、彼女はリトル野球時代によく応援に来てくれていたんだ。
いつも声をかけてくれていた。

「久しぶりだね」

「きゅ、急に引っ越しちゃったから…!
心配してたし寂しかったんだ…から…?
え、スカート…?」

「うん。
言ってなかったけど…私、女だから」

「…はぁ!?」
「え!?」

彼女の声に被って男の声が聞こえた。
声が聞こえた方に振り返ると黒縁メガネをかけた、これまた何となく見覚えのある青年。

自己紹介とかは今日はしてないから名前は…ちょっと…

「おま、え…まさか本当にあの咲良有澄!?
双子とかじゃなく!?」

女の子の間に割り入って近づいてきた顔をじっと見返し、また頷く。

「そうだけど…どこかで…会ったことあるっけ?」

「江戸川リトルキャッチャーの御幸一也!
何度か試合したろ!?」

「…江戸川リトル…」

みゆきかずや…

「あぁ!あの御幸くんか!
久しぶりだね」

「あぁ…久しぶり…じゃなくて!
お前女だったのか!?」

「そうだよ」

「…いや、でも正直咲良くんが女とかそんなの些細な問題よね…だってこんなにかっこいいんだもん…」

ん?

「…そうよ、あの時あんなに後悔したじゃない…
なんで連絡先も聞かなかったんだろうって…」

…ん?

いや、待ってやばいそろそろ部活行かなきゃなんだけど。

「三好さん、ゴメンね
もうすぐ部活行かなきゃ…御幸くんも、ほら遅れると叱られるでしょ?」

「あ、あぁ…ってお前何部!?」

「…さぁ?すぐわかるよ」


*

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