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あつにい


隣で失われる人肌の温度。躯にのしかかる力の抜けていく母の重み。目の前に倒れる父。私の手を握った手は徐々に力を失い、果てに掴みもしなくなった。
私の服を赤い水が濡らす。

天涯孤独な私が行くのは孤児院であり、学校。
院長は私に「神を怨むな、親を恨むな」と云った。
そして私に『教育』を施し云った。

「自分の頭を恨むな」

と。



あつ兄は優しい。
いつも誰かの点数稼ぎに利用されてても、それを許容してしまう。

あつ兄は強い。
私が泣いていたら助けてくれる。虎さんになって。

でも私を置いていった。
だから私も追いかけた。

*










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