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おかあさん


「もう行かなきゃいけないから今日も勝手に食べておいて」


おかあさん


「もう、忙しいの! 困らせないで!」


おかあさん


「もう小さい子供じゃないんだから!」


お母さん


「あなたの学費のために一生懸命働いてるのよ!」


お母さん


「誰が産んであげて育ててあげてると思ってるの!?」


母さん。

ならばあなたは、どうして私を産み、育んだの。

母としての仕事とはなんだろうか?
私はわからないけれど。
子が育つのは、放っておいても育つ。
ただ、その子が、健全に育つかは、飼育員である大人の技量なのだと、私は学んだ。


ねえ、母さん。
結局あなたは飼育方法を間違えたのよ。
産んでくれなど頼んだ覚えもない。
子は親を選べない。全くもってその通りね。
だから次は、そんな面倒な人間なんて生き物にはなりたくないのよ。


「ねぇ
母さん。


私ね、


あなたの敷いたレールを


進むのだけは嫌なのよ」


米神にあたる硬い冷たい感触。


母は強しなんてとんだ戯言よ。


一つ心残りといえば


紙面の少年は


自分の狩るべき敵を見出し


きちんと狩れたのか

それだけ知りたかったかしら。


ソレを見届ける時まで生き苦しく生きるなんて、そんなに強くないから、


私は早々に退場するわ。


願わくば


愛されてみたかった。


わたしのおいたち


生まれてきてくれて、ありがとう。

だなんて言葉が、聞こえてくる数秒前の出来事。


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