140字小説

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ツイッターで書いた140字小説まとめ。



少し早足な君に合わせて隣を歩く僕のポケットに、頬を上気させ白い息を吐く君の手が入り込む。ポケットの中の唯一の熱源である僕の手を握った寒がりな君は、頬を寒さとは違う赤で染めもう少しゆっくり歩こうと言うので、君に逆らえる筈のない僕は同じく頬を赤くしながらうんと頷きその手を握り返した。


ミヤトリで冬の散歩。140字処女作。
ちょっと修正しました。


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ピンクの法被に鉢巻、団扇のフル装備で山南が帰宅すると、部屋の中のマジックグッズが姿を消していた。山崎が全て片付けたのだ。レプリカやコピーが大量にあるとはいえ山南は泣き崩れた。どうしてと泣く山南に、「アンタのその顔が好きなんで」と山崎は無表情で言い放つ。山南はもう頭が真っ白だった。


初めて書いたザキナミ話。
ちょっと展開詰めすぎですね。


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五月上旬。キンタローはグンマに誕生日の贈物は何がいいかと尋ねた。グンマは少し考えてから「キンちゃんがほしい」と答えた。驚かしてやろうと思ったのだ。キンタローはグンマの思惑通り驚いた顔をして「俺はもうグンマのものだろう。もうやれるところはない」と言った。今度はこちらが驚く番だった。


キンちゃんは天然系素直クール。
これ書いたとき別にグンマの誕生日近くなかった。


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今日も山南がマジックグッズを職場へ持ち込み、山崎が即座に突っ込みを入れ処分している。「ザキもよくやるぜ」と斉藤がこぼすと、永倉は「ほんと可愛いヤキモチだよね」と相槌を打った。斉藤は驚いて二人をみた。なるほど、痴話喧嘩に見えなくもない。知りたくなかった事実に斉藤は深く溜息を吐いた。


ザキナミその2。
ハジメさんとシンパチが書けて満足。


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俺を好きだと言う奴がいる。身も心も金も力も、命さえも俺に捧げる鬱陶しいほど健気な男。俺は今日もその重すぎる愛を足蹴にし、罵声を浴びせ、空の彼方へ吹っ飛ばす。俺を非道だと言う前に俺の気持ちも考えてくれ。押し付けるばかりで受け入れる気のないコイツに、なかったことにされる俺の気持ちも。


噛みあわない心友。
アラシヤマは自分に向けられる愛情を一切認められない人間不信。


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「おめぇチューしたことある?」トットリは雑誌を捲りながら何の気なしに聞いてきた。大方キスの特集でもあったのだろう。ウィローは正直にないと答えた。すると不意に唇が奪われ、「あは、なら今のが初めてだっちゃねー」と無邪気な笑みを贈られた。……最近気付いたが、この男はたまにすごく卑怯だ。


とりなご。
トットリはいろんな意味でズルイ男。


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アラシヤマといるときのトットリは恐ろしく口が回る。貼り付いた笑顔で無邪気に嫌味を言う。それも本人にしかわからない巧妙な言い回しで。阿呆のくせに頭の回転が速い。たまに本気で怖くなる。そして話し終え、俺に駆け寄ってくる時にはもういつも通りだ。変な奴。(俺といるときは可愛いのになァ…)


自惚れ屋なシンタローさん。
どっちが素顔かなんて誰にもわからない。



随時追加予定。



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