魔法のお菓子≪プロローグ≫
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―トリックオアトリート!
そう声を掛けると、黒いマントを羽織った男が振り返った。
「…なんだがね、おみゃーさん?」
男は訝しげな視線を寄越した。
そりゃそうだ、突然知らない人物から馴れ馴れしく話しかけられたのだから。
―えーっと…
黒いマントに黒いとんがり帽。
魔法使いのような格好をしているから、てっきりハロウィンの仮装をしているのだと思ったのだが、どうやら違うようだ。
「お菓子がほしーんきゃ?」
思惑が外れて戸惑っていると、男はニヤリと笑ってそう聞いてきた。
その表情にぎくりとなって、思わず頷いてしまう。
「だったらええもんがあるでよ」
こちらの素直な反応に、男は楽しそうに目を細めた。
そして妙にもったいぶった調子で話しはじめる。
「このサイトの中にワシの魔法薬を混ぜて作ったお菓子が散らばっとる。
見つけられたらそりゃおみゃーさんにやろみゃあ。
ただし、気をつけりゃあな。あんばようせなおっそぎゃーことになるぎゃあ」
―は?
サイト?魔法薬?何いってんのこいつ。
しかも最後のほうは訛りすぎててよくわからない。
「ほだら、ワシャ忙しいだで、もう行くぎゃ」
―あ、ちょっと!
名前は、と背中に問いかけると、男は振り返らず答えた。
「名古屋ウィロー、魔法使いだぎゃ!」
魔法使い…。男の背中を見送って、呆然と呟いた。
にわかには信じがたいが、この団には魔法のような武器や体質を持つ奴がごろごろいる。
本物の魔法使いが混じっていてもおかしくはない。
そんな奴の作ったお菓子なんて、怪しすぎてとてもじゃないが食べられない。
けど、本当に魔法のお菓子があるのなら、その魔法とやらをみてみたい。
しばらく考えて、はっと気が付いた。
そうだ、別に自分が食べる必要はないんだ。
誰かに食べさせればいい、そうしたら万事解決だ。
そうと決まれば早速お菓子を探しに行こう。
先ほどウィローがみせた表情と同じ笑顔を浮かべ、貴方は足取り軽く宝探しへと旅立った。
※好き嫌いが別れそうなネタが含まれます。内容はお菓子の名前で察してやってください。マシュマロ・キャンディーは特にセクハラ色が強いのでご注意※フェミニンマシュマロ
アニマルキャンディー
チャイルドマフィン
キャラクターマカロン
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