「ここで作者は…」
白髪混じりの中年教師の声と
黒板に字を書くカツカツという音が響く。
前の授業が体育だったせいで疲れてるのか、それとも空腹と戦っているのか
普段は騒がしい教室がひどく静かに思えた。
「じゃあこの漢文を次までに現代語訳してきてください」
教師の言葉に少し遅れてチャイムが鳴り響くとそれまで静かだった生徒達ががやがやと騒がしくなった。

「りょうちゃーん?」
「んぁー?」
目の前に陽菜がいることに気付かないほどぼんやりしていたらしい。
さっきから何回も呼んだのに、と頬を膨らます親友にごめんねと小さい笑いを返した。「涼ちゃんがぼーっとしてるのはいつものことだからいいんだけどね」
…それはすいませんね。
「ぼーっとしてるのは眠いときだけだよ」
「いつも眠そうじゃん」
その通りだから言い返せない。
可愛らしい弁当を広げる親友をじとりと見る。
なに?卵焼き食べたいの?と言う陽菜はやはり天然なのかもしれない。
「私天然じゃないよ?」
「え?」
「声に出てたよー」
むしろ涼ちゃんの方が天然だと思うよーと笑われた。
少しイラッときたので、唐揚げを奪って食べてやった。







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