未観測の光景
誰も見たことがない輝かしい朝日や
誰も見たことがない宝石のような海を
私は知っている
だけれどそれをいつ知ったのだろうか
私はそれを見たことがない
いつどこに在ったかを覚えていない
だけれど私は知っている
そして 私は思うのだ
きっと死んで魂になった時
地球を一周して未開の地でその朝日を見たのだろうかと
私は思うのだ
人間が生まれるずっとずっと昔に
まだ私が微生物だったころの海なのだろうかと
私は思うのだ
これからずっとずっと未来の
すべてが善くなった世界の景色なのだろうかと
私は知っている
それは必ず在るのだと知っている
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