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君が僕を連れ戻す

そして君がたった一つの存在である事を証明する
君が僕を手に入れた方法を明らかにしよう
僕は走り出した
君はまだ生きている
君の複雑な感情を理解するつもりはない




お気に入りの曲を聞いて電車に揺られている。

手に持つのは、叔父に無理やり持たされた土産。

海常の監督に渡せって・・・自分で渡してくれないかな?

めんどくさい・・・・。

『つか、会場が神奈川って聞いてねぇぞ』

練習試合なら都内でやれ、都内で!!

おかげで折角の休日が丸一日無駄になった。

・・・・・・・・・・帰りに中華街に行ってやけ食いしよう。

叔父さんからお金はふんだくったから、いっぱい食おう。

そう思っているうちに電車は高校の最寄の駅についた。

カチッ

プレーヤーのスイッチを切って、私は立ち上がり歩き出す。




審判である海常高校の学生が声を上げた。

「これから誠凛高校対海常高校の練習試合を始めます。」

『お邪魔しまーす』

一気にピンと張りつめた空気になんとも間抜けな声が響いた。

誰もがそこに目を向ければ、一人の女が立っていた。

サングラスをして音楽聞いている姿はチャラそうだが、服装はTシャツにジーパンとシンプルな服装である。

女は自分が注目されていることなど気にしていないように、体育館を見渡してそして「あっ!」と声を漏らして目当ての人物を見つけたようだ。

『黄瀬ッ!!』

名前を呼んだ瞬間、全員が納得した。

黄瀬のファンだと・・・だけど彼女の次の言葉に度肝を抜かれる。

『スリッパ。スリッパを持ってこい。』

「ッ!はいっ!!」

黄瀬をパシッたのだった。

なぜかパシられた本人の黄瀬は嬉しそうに、スリッパを取りに行った。

すぐさまに帰ってきた黄瀬はスリッパ片手に女に近寄った。

「はい、スリッパです。先輩!!」

『おー。よしよし、よくやったぞ黄瀬』

((((((犬扱いされとる)))))

まるで飼い主と忠犬のような姿だったが、海常の監督がハッとして声を上げた。

「オイッ!試合中だぞ。部外者は上で見てくれないか。」

そう言われた女は話を完全に無視しているのか、鞄の中から紙をだして『えーと。黄瀬、この人はここにいるか?』と言っている。

どうやら手に持っているのは写真らしく、黄瀬が驚いた顔をした。

「うわっ!監督、若ッ!!つか痩せてる!!」

そう言って驚いている黄瀬をよそに、女は監督を目に写してズンズンと向かってきた。

『えーと・・・武内さん?』

「そうだが・・・。」

その言葉を聞いた女は手に持っていた荷物をズイッと海常の武内監督に向けた。

『これ、親戚の叔父からの選別です・・・・義文と言った方が分かりやすいですか?それとも新島?』

その言葉を聞いた瞬間、海常の監督はビシッと背筋を伸ばした。

その様子に海常の生徒、誠凛の生徒も驚く。

「君は新島先輩の姪か?・・・・てことは君が一堂『えぇ、まぁ。そうです。』

そう言った女に監督は嬉しそうな顔をした。

「そうですか!!今日は態々うちのバスケ部を見に?」

『えぇ、まぁ。そうですけど・・・今日は後輩の試合を見に来ました。』

そう言った女に黄瀬はパァッと笑顔を浮かべた。

「先輩、俺の為に・・・・『いえ、今日はもう一人の後輩に頼まれまして・・・・。』

その言葉にガーンと落ち込む、黄瀬をよそに女は誠凛を見渡してそして見つけた。

『黒子、お前の要望通りに来てやったぞ』

そう黒子を一発で見つけたのだ。

その事に誠凛の生徒は驚いた。

黒子は驚くも様子もなく、女に一礼した。

「お久しぶりです。・・・・先輩」










『久しぶり、後輩。』

<後書き>
中二設定その4
イケメンをイケメンとして見てない。
自分だけはアイツの特別…みたいな(イラッ)

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