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マイプリンス春歌ちゃんとの一緒のピアノセッションは授業と言う事を忘れるぐらい楽しかった。

さすがエンジェル…奏でる音も優しくてフワフワしているよ。

もう春歌ちゃんにデレデレの私はニコニコと笑顔で昼飯にありついていた。

「あ、あの沙羅ちゃんッ!!さっきはありがとうございました。」

そう言って申し訳なさそうにして言う春歌ちゃんに私は首を振った。

『全然気にしないで、むしろ春歌ちゃんとセッションで来て楽しかったから』

そう言うと春歌ちゃんは顔をパァッと輝かせてくれる。

「私もですッ!!沙羅ちゃんとのピアノ、とっても楽しかったです!」

そんな笑顔で言って私を萌え殺しさせるつもりかい?

そんな事を考えていると、机をバンッっと叩いて現れた者がいた。

「ねぇ、綾部ッ!!俺らの曲の打ち合わせ、今日の放課後しない?」

そう言って現れたのはマイパートナーの一十木くんだった。

『一十木くん・・・・いいけど、ちょっと待ってもらっていいかな?私、寮に取りに行きたいもの「音也でいいよ!」

私の言葉を遮った彼はもう、某ファーストフード店のCMのように綺麗な笑顔を浮かべたのだった。

ま、眩しッ!!




「へぇー。綾部もギターをやるんだ!!」

一度、寮に帰って準備を整えてきた私を見て一十木くんだ。

その笑顔に自分に押されながらも答えた。

『う、うん。ギターとピアノは弾けるんだ・・・一十木くん自己紹介の時に特技ギターって言っていたからこっちの方が作曲しやすいと思って。』

私がそう言うと彼は尊敬の目を私に送ってきた。

こういう目をあまり向けられた経験がないもんだから、どうもくすぐったいのだ。

『じゃぁ、なんか適当に弾くからさぁ。適当に歌ってよ』

ギターを抱えながら、音を調節しながら言うと彼は綺麗に笑った。

―――――――――――――――♪♪

(あ・・・さすがアイドルコース、うまい)

結構メジャーな曲を弾いてみたら、彼も知っていて歌ってくれた。

さすがアイドルコースと言うべきか…今まであった中で一番うまいと思った。

このルックスでこの歌声なら・・・いけるな。

なんて頭の中では汚いそろばん計算をしながら弾く。

『さすが、一十木くん。上手だね。』

私が素直に褒めると彼は少しだけ頬を赤らて、照れた。

おぉう!その笑顔をブロマイドにして売り飛ばしたい・・・・。

『じゃぁ、今から何曲か弾くからさ気に入ったの選んでよ。』

私がそう言うと、一十木くんは驚いた顔をした。

「えっ!もう作曲したの?」

『ワンフレーズだけだから作曲ってほど大したもんじゃないよ。一十木くんの歌聞い思いついたからさ』

これで一十木くんが気に入ったらその曲に肉付けすればいいのだ。

私はICレコーダーをセットした。

いま思いついたばかりの即興曲なので、楽譜もなにもない。

寮に帰って忘れたなんて笑えない話なのだから。

私はギターを構えた。









『じゃぁ、一曲目』


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