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小さい頃、まだその頃は体が弱かった私は両親の住む都会の空気には慣れなくて、田舎のおばあちゃん家で暮らしていた。

当時は両親と離れて暮らすのは寂しかったし、夏の収穫の時期になれば祖母は忙しくなってしまい。

まだ小さかった私は外に出る事は許されずに家でお留守番をよくしていた。

自分以外に誰もいない、シーンとした音もない空間がとてもとても苦痛で私は何時も泣いていた。

自分の泣いている声だけが音で、それが余計に部屋に響いてとてもさみしく聞こえたのだ。

そんな私の異変に気付いた祖母は音がないと泣く私を見て、私にある者を紹介した。

それは祖母家の一室にポツンと置いてあった一台のピアノ。

祖母の手からまるで魔法のように音が出てきて私はとても喜んだ。

祖母は私にピアノを与えてくれた。

一人、寂しい時はずっとピアノを弾いていた。

それから日課になったピアノ。

腕前は日を追うごとにドンドンと上達していって、祖母もとても喜んでくれた。

私も難しい曲を弾けるのはとても嬉しくて、嬉しくてピアノがもっと好きになった。

中学に上がるころ、私のピアノの腕前はプロ顔負け(祖母談)だったらしく、祖母は私をもっと本格的にピアノの勉強してみたらと聞いてきた。

私は首を振った。

なんでと首を傾げる祖母に私は言った。





「将来が不安なんで、もっと安定した生活を贈りたいです。」

ロマンチックな曲は弾けるが、私にはこれっぽちも夢が無く現実的な子供だと

祖母は両親に愚痴をこぼしたらしい。

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