二人の距離 | ナノ
【希う心〜二人の距離〜】


また、だ。
これで何度目だろう。

「もう知らないから、勝手にすればいい」
「…おい」

落ち着け、と掴まれた手を振り払う。
もううんざりだ。
彼に対しても。
自分の愚かさも。
些細なことだった。
些細なことで、癇癪をおこしただけだ。

(知らない子と、仲良さそうに話していた)
(自分の存在に気付かなかった)

「また、考え込んでる」
「…別に」
「今度は、どうした」

座っている彼の膝の上に、引き寄せられる。
彼はこうして、自分の愚かさを汲み取って、和らげてしまう。
いつも、いつも。

(同じ年なのに)

そっと、自分から顔を寄せる。
素直になれない、自分の。
唯一の。

「ごめん…」

そうして彼がまた微笑んでくれるから。
だから…大切にしたい。

【Fin.】

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後書代わりの戯言

初めて某所へ行った時の勢いのまま書いたものに
すこーしだけ加筆したものです
でも、殆ど変えてないですw

あ、これは一応シリーズっぽくなります
テーマが一緒ですからね
シリーズ名考えなきゃ…

web clap

2012/03/15 Wrote
2012/05/19 UP


コイ
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