現実構想、あなたとともに











ただベットの天蓋を見つめていた。
眠れない。

ふわふわの寝具に包まれて、愛しい人の隣で。
環境は極上なのに、なぜか目がさえていた。

寝返りを打つ。
目をつぶる。

背中から不意に、温かい腕が回された。

「眠れないのか? ソフィア」

はっと目を見開く。心拍が乱れる。

「ごめんなさい、起こしてしまったみたい」

「いいや。構わないさ」

首筋にキスが落とされた。
柔らかな金髪のあたたかな香りが鼻腔をくすぐる。

思わずほほえみが零れる。

「くすぐったいわ、アンソニー」

「ふふ」

こてん、と仰向きに寝かされ、頭は彼の腕の上へ。
必然的に、彼に腕枕をしてもらっている体勢になる。

「…重くはない?」

「ちょうどいい重さだよ」

この重みが心地いい。
彼は天蓋を見上げた。

「アンソニー、私は、」

彼の笑顔があまりにも心地よくて、つい思った言葉がするすると流れ落ちてしまう。

「あなたのそばにいるときは、自分らしくいられる気が…するの」

照れくさくなって、語尾が弱くなる。
うつぶせになって、やや表情を隠してみる。

頭に、彼の優しい手が乗せられる。
髪を撫でる、優しい手。

「私もだよ、ソフィア」

柔らかく抱き寄せられる。

「2人で町を復興させよう。すぐに以前のような活気ある町に戻るさ」

彼の言葉は壮大にしてかつ現実的だった。
彼と2人ならなんだってできる。この町を立て直して、ずっと一緒にいられる。

胸一杯の幸せが、あふれた。
アンソニー。あなたに一生、ついていくわ。

(そう思えた)
(私たちが2人である間は)


Fin.




この2人は幸せであれば幸せであるほど切ないです。
なぜか最終的に切ない系になってしまいます。自分の文章力のなさにため息…。

次回はもっと甘いの目指して頑張ります!
お目汚し失礼いたしましたoyz

2011.9.11

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