非夢短編 | ナノ




標的295派生@

標的295


西洋風の大きく豪華な城を見上げる。

その正面には沢山のテーブルに料理や飲み物、それから招待された様々なファミリーのマフィアがいる。

これが全て俺がボンゴレファミリー十代目ボスになる継承式のためだけに用意されたかと思うとうんざりする。

だってそもそも俺はマフィアになんかなりたくなかった。

ファミリー同士の抗争とか殺し合いとか本当に怖いし有り得ない。

“闘い”なんてものも今までのでもう十分。もういらない。

名実供に裏社会の支配者になるだなんて真っ平ご免。

ボンゴレ九代目にだって伝えた。


“今はもっと友達といる時間を大事にしたい。守護者のみんなは俺にとって一番大事だから危険に巻き込みたくない。

だから────

ボンゴレの十代目ボスは断らせてください”


それなのに、何故今こうして継承式を開きボンゴレボスになろうとしているか。



それはボンゴレの“罪”とか呼ばれる至宝だかなんだかが欲しいらしい馬鹿どもがいるからだ。

そいつ等はよりによって俺の仲間を、大事な親友である山本を傷付けた。

なんとかまだ命は繋いでいるけれど、医者がいうにはもう歩けないそうだ。

それは許せない。

絶対に許せるものか。

それはそう、自分も含めてだ。

俺の守護者であるせいで山本は殺されかけたのだから。

襲撃犯が狙うボンゴレの至宝は継承式以外では人目に触れることもないから、きっと奴等はその時に現れる。

俺はマフィアになんかなりたくない。

なりたくなかったんだ。

けれど、継承式を開かなければまた大事な大事な俺の仲間が狙われるだろう。

それだけは絶対に嫌なんだ。

だからやりたくないけれど、なりたくなんかないのだけれど仲間を守る為ならば、マフィアに、ボスになってやろう。



チラリと有幻覚の山本を見てからもう一度パーティー会場にいる人々を眺める。

この中に、愚か者がいる筈だ。

大空を怒らした愚か者。

覚悟していろ!!









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