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「だから…いるんだよね!妖怪は!」
「清継くん!?また新しい見解ですか?」
昼休み、パンを食べていたら同じクラスの清継君や島が妖怪の話をしていた。
「なんでそんな言い切れんだよ〜」
「ボクの『研究』によれば……
確かに…古来の伝統的妖怪は姿を見えにくくしてるかもしれない…
現代の背景にとけこむことが出来ないからだ。
しかし!!」
清継は己のノートパソコンに手を添えた。
そこには『妖怪脳』と書かれているサイトが開いている。
「ボクのサイトに集まった情報や目撃談!!
そこから導き出された答え!!
それは妖怪には世代交代があり、いつの時代も我々の日常で悪事を働いている!!」
「ええ!?」
いつの間にかオレのクラスまで来ていたカナが胡散臭げに清継を見る。
リクオはなんだか焦っている。
「まぁーずいぶん昔と違う意見だこと……」
「だねぇ。妖怪なんて存在しないって主張してたのに…」
「ツナ!なんでそんな悠長にしてんの!?」
リクオが小声で、でも勢いよく喋りかけてくる。
「問題ないだろ。言ってるだけなら」
そう。言うだけなら、可愛いげがあるのに。
「奴良君…昔はバカにして悪かったね。
キミのはウソだろうけど。
ボクは…目覚めたんだよ…。あるお方によってね…」
「あるお方?」
「そう…そのお方は…闇の世界の住人にして…
若き支配者…
そして幼い頃ボクを…地獄から救ってくださった…」
もしかしてリクオ?
「ほれたんだよ!!彼の悪の魅力に取りつかれたのさ!!
もう一度会いたい…だから彼につながりそうな場所を探しているのさ!!」
「ふーん」
「あーあの時の……」
「(ヤバいよ!バレませんよーに)」
クラスの誰かが気付いたように声をあげる。
「もしかして…………清継くん!?」
「うわさの…………旧校舎も!!」
「ああ…行きたいと思っている」
「ええーーッ」
「それは…ちょっと…」
「危ないって!!」
ひき止める声が響くなか、怪談を信じて妖怪に会おうと清継は胸を張る。
「みんなにも協力してほしいと思ってる…。でも生半可じゃない本物の有志を期待している!!」
宣言した清継に不思議そうにリクオが口を開く。
「旧校舎?」
「ハァ!?知らねーのかよリクオォ!!」
大袈裟なくらいに島が驚き説明する。
「この学校の怪談の一つ
…そこに出んだよ!!妖怪が!
!ほら!雑誌にも載ったくらい有名だぜ!!」
「え…でもこの学校……そんな古い建物なんかないよ?」
「この中学校の真横を走る『東央自動車道』ってのあるだろ。
んでその向こうに古い建物があるだろ。
道路を通すために引き離された…十年前から誰も近寄れないうちの学校の旧校舎なんだよ」
島の説明に綱吉が補足した。
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