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かつて人は
妖怪を
畏れた
その妖怪の先頭に立ち
百鬼夜行を率いる男
人々はその者を妖怪の総大将──
あるいはこう呼んだ
魑魅魍魎の主、
ぬらりひょんと──
「これは…友達からきいた本当の話なんだけど─うちの学校って………………
『旧校舎』があるらしいの」
「え…何それ。知らない…どこにあるの?」
「そこは…この学校の敷地内にあるのに誰にも行けない場所」
「そこでは…夜な夜な死霊たちが暴れていて、もし…迷い込んでしまったら
二度と帰ってこれないんだって………」
「うそぉ…でも…それ本当にあるの?気になる…」
「じゃあ教えてあげる。でも…絶対に…近づいちゃ…ダメよ」
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