混合短編 | ナノ




7

「ワタシがやるね」


刀の仕込まれている傘を手にフェイタンが少年に襲いかかる。

一撃目が迫る前に少年の持つマントが一瞬何か生き物に変わり次の瞬間には籠手の形状が異なっていた。

徐々に速くなる動きに少年はフェイントにも怯まずにかわし、時には籠手で受け止めている。

炎の強弱をコントロールすることで念の代わりを果たしている様子はやっぱり戦い馴れているようで、年齢を踏まえれば可笑しなことでも何でもないのだけれど、異質さを醸しだしていた。

だんだんとフェイタンに圧される形になり、遂に少年に傷を負わせた瞬間、フェイタンはさっと少年から離れようとしたが、かわしきれなかった巨大な炎の塊がシャルナーク達を襲う。

距離があったお陰で避けれたが当たったらを思うと恐ろしい技である。

そして、少年はフェイタンの攻撃で精孔が開いたようでオーラが勢いよく立ち上がり、籠手が手袋へと変容し額の炎も消え、必死に息を調えようとしていた。


「待て」


ほとんど無防備となってしまった少年に止めをさそうとしたフェイタンを団長が止めた。


「何故ね。コイツはワタシが殺すよ」
「そいつの力に興味が出た。生きていたら生け捕りにするぞ」


堅で防御していただろうにもかかわらず右肩から肘にかけて火傷を負ったフェイタンは団長からの制止に舌打ちし、やり場のない怒りで傘を地面に叩きつけてやり過ごしす。

やがて、何の指摘もないままに念の基本四体行の一つ纏を自力で習得した少年を団長は掴みあげた。



それは大空に蜘蛛の巣にかけられた時のこと。





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