3
《side Detective》
着飾った沢山の人。
並んだ凄く美味しそうな御馳走。
自分じゃ買う気のしない豪華な装飾品の数々。
そんな見るからに金持ち(と限ることもないが)のパーティー会場といった風な場所にいた。
「よっしゃー。ゴチソウがいっぱいあるぜ。うな重はどこかな」
「もー元太君食べ過ぎちゃダメだよ」
「歩美ちゃんのいうとおりですよ」
「なんだよもー二人して」
江戸川コナンの目の前で繰り広げられる小学生3人の言い合いにいつも通りだと思う。
小島元太に吉田歩美、それから円谷光彦は彼が転校してきた時に真っ先に話しかけてくれて、それからよく一緒にいる。
コナンが隣を見てみると灰原哀が面白そうに子供達を見ている。
「子供は元気ね」
「おいおいおめぇも今は子供だろうが」
「あら、精神的な意味合いで言ったのだけれど。私はあんなに騒げそうにないわ」
「こらこら哀君」
灰原の妙に大人っぽい小学生らしくもない発言に呆れる。
が、本当は灰原は十歳程年上だったりするからだと知ってる。
そして彼自身もまたそうである。
それまでの過程こそ違うがアポトキシン4869という毒薬を飲んでしまった副作用所以だ。
そして江戸川コナンの正体は高校生探偵工藤新一で灰原哀の正体は犯罪組織に所属していた宮野志保であることを知ってるのは少数である。
その一人が阿笠博士。
いつもめちゃくちゃながらくたとかを作っているが、オレのスケボーとか眼鏡とか麻酔銃とか役に立つものも作ってくれる。
周りを見渡すようにすると目に映ったのは鈴木園子と毛利蘭だ。
「ちょっとちょっとぉ、蘭早速カッコイイ人を探すわよ」
「もー園子ったら」
園子は鈴木財閥のお嬢様で今回の大和コーポレーション創立記念パーティーに誘ってくれたんだ。
蘭は江戸川コナンを預かってくれていて、工藤新一の幼なじみ兼好きな人。
さらに後ろを振り向かなくてもおっちゃん、毛利小五郎が酒に酔っているのが分かる。
蘭の父親で眠りの小五郎なんて呼ばれる探偵だ。
[←] [→]
back