相反する立場 | ナノ




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《side Mafiaboys》


コナンがジョディとかゆうFBIらしい女性がやっつけた強盗犯の一人の携帯を利用して、なんかネクタイみたいな変声機を通して他の強盗犯を呼び出すための電話をした。

今ここにいるのはフランとコナンだけだ。

他の四人にはその呼び出した強盗犯を追い詰める先の準備をしてもらっている。

コナンと二人っきりになりちょうどよいと思ってフランはコナンに訊ねてみることにした。


「そー言えばー、ずっと聞きたかったんですけどー」
「何だ?」


この任務に裏があるのなんてフランだって百も承知している。

ツナニーサンが自分のことを案じてくれているのも分かるけど、本当にただの事件に巻き込まれやすいってだけの子供達の護衛をやれなんて馬鹿げた任務があると思えない。

それにそうならフランだけでこと足りる。

いくらシショー抜きの初めての任務だとしてもランボまで同伴ってことは何かしらの意図があるはずだ。

それをフランは知らされていないけれど、知ってはいけない理由にはならない。


「アンタ何者ですかー?」
「ハァ?」
「そのまんまの意味ですよー。アレ?もしかして日本語分かりません」
「…俺は江戸川コナン。探偵だよ」
「それだけじゃないでしょー、まさか」


そしてそれはこの江戸川コナンという少年と灰原哀という少女に関係するのだとフランは考えていた。

特にこの二人が危険に陥りやすいから気をつけてと言われていたからだ。


「どういう意味だ?」
「まさか“ボス”が本当にあんな理由でアンタを護衛しろなんて言ったと思ってます?んなわけねーのはミーにだって分かる。シショーもアンタのことを面白いと言ってましたしー」

「あのひねくれ者のシショーがー、ちょっと頭いいだけのガキに興味なんてもつなんてーありえないですもん」
「そんなこと言われたって訳分かんねーよ。俺はお前の師匠なんて知らねぇしな」


やっぱりというかコナンはそう簡単に答えてくれる気がないらしい。

いくらコナンに隠された任務との関係があったとしても、コナン本人は知らないという可能性もある。

けれど何かしらは知っているのだとフランの勘は告げる。

今日の学校からの帰り道でもランボと何か重要そうなことを話していたようだし。

その時幻術でそれを聞こうとしていたのはランボにバレて失敗に終わったし。

だからフランはコナンからそれを聞き出したい。


「嘘。良くないですよー。日本のコトワザだとー、泥棒の始まりだっけ」
「嘘なんてついてねーよ」
「いーえ、ウソついてますー。江戸川コナンはボケぼけのーウソつき!未来の暗殺部隊の幹部の目は誤魔化せませんよー?」
「な、んだとぉ?(コイツは今何て言った!?)」

怖い幻覚をいっぱい見せてコナンから聞き出すという手もあるけれど、それをしたらツナニーサンに怒られた挙げ句にシショーにオシオキされてしまう。

だから言葉で動揺させてみることにした。

明らかに今コナンは動揺して、ついでにフランに敵愾心を持っている。


「オットー!睨み付けちゃってー。怖い怖い」


とりあえず更に煽るようにフランは降参ですーと心にもないことを言って両手を胸の前で振ってみた。




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