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《side Detectiveboys》
「妙ね」
「え?」
銀行の外、更に警察の包囲網の外側で野次馬に混ざった場所で灰原哀は阿笠博士に向かって呟いた。
「この状態になると人質を楯にとって逃走手段なんかを要求してきてもおかしくないのに」
「確かにそうじゃが、まあ、時期に観念して出てくるじゃろ。もう逃げ場はないんじゃから」
「はたしてそうかしら」
「え?」
「シャッターが閉まる前に中の様子が見えたけど、銃を持った目だし帽の奴等が数人いたわ。そんな恰好で銀行に乗り込むには予め武装して大型車に乗り、銀行に横付けして一挙に突入するしかない。そんな用意周到な奴等がすぐに金を奪っても逃げず、何の要求もせずにただ立て込もってるなんて不自然じゃない?何かあるのかもしれないわね。金をせしめてまんまとあそこから脱出できる方法が」
今ていと銀行に立てこもっている強盗犯達への見解を述べながら頭の中を整理する。
「けど、新一がいるしの」
「そうね。確かにあそこには工藤君もFBI捜査官のジョディ先生もいるわ。けれど」
博士の工藤君に対する信頼の言葉には肯定する。
嫌味なくらいに事件に巻き込まれる彼にしてみればこれくらい大したことないだろうから。
けれど、気になるのは今日出会った二人組。
ランボとフランと名乗る、マフィアで自分達を護衛するために転校してきたのだと宣う怪しい奴ら。
はっきり言って信用ならない。
「あの二人がどう行動するのか気になるところかしら」
「ランボ君とフラン君かの?」
「そうよ。何事もなければいいのだけどね」
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