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《side Mafiaboys》
「えーじゃあ光彦君、そのお金全部貯金するんだ」
「ええ。この前僕の口座を作ってもらいましたから」
「お前たんまりもらってそれ全部貯金じゃん。勿体なくね」
「堅実だと言ってください」
哀をなんとか説得した後、少年探偵団と阿笠博士と一緒にランボとフランはていと銀行に来ていた。
何でも数日前、光彦の家に遊びに来た親戚がくれた金を貯金するためだとか。
律義だとランボは思った。
精神的には子供じゃない自分は、子供とは言いがたいしと綱吉に押し付けられた仕事(基本的に情報関連。パソコンとか。あまり身の危険はないし)とかで稼いだお金を貯金しているが額が違う。
そのようなはした金、と言っては悪いけど、それで貯金する光彦は豆に見える。
ちなみにフランは知らない。どうせ六道とかクロームに任せっきりだ。
「うぐおお、は、腹が急に」
突然元太が腹を押さえて痛みを訴え出す。
心なしか顔も青い。
「え、大丈夫?元太君」
「お前変なもの食ったんじゃねーのか」
「そー言えばー、給食いっぱいおかわりしてましたよねー」
「あれは食べ過ぎなんだもんね」
「でも、元太君はいつもあれくらい食べるよ」
「おやつにお握りいっーぱい食ったんだよ!いてて」
思わず脱力した。
「やっぱりただの食べ過ぎね」
「もー元太君ったら」
「じゃあ近くの薬局で胃薬買ってくるから」
「トイレで出すもん出してきなさい」
「おおー」
腹痛の元太の為に哀と阿笠博士が銀行から出ていく。
まあ、これくらいならわざわざついて行く必要はないとランボは考えた。
念の為の部下が二人を見守るだろう。
それよりも、気になるのは頬に火傷後のようなものがある帽子を被ったある男。
確実に幻術だ。
フランもちらちらとソチラを見ていることからも気がついているのだろう。
自分やフランがこんなにもあっさり気づけたことから、少なくとも六道やクロームではないと思う。
「アレ姿変えてますねー」
「そうみたいなんだもんね。見破れる?」
「見破れるけどー、ただの男。あ、見たことある顔ですー」
「ふーん。どこで?」
「覚えてないですー。どこだったっけ?」
「なら様子見なんだもんね」
幻術師がここにいるのは偶然なのか、それともコナンの事件に巻き込まれやすい体質のセイなのか、はたまた何か別の理由があるのか。
「ランボ君フラン君行くよー!」
「うん」
「はいー」
歩美に呼ばれて、考えるのをいったん止めた。
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