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その後森を抜け町に出て金を手にいれて服を買い、アメリカのラスベガスを経て今、イタリアにいる。
結論から言えば、ここは単なる過去ではなかった。
調べた限りには私の所属していたマフィアボンゴレファミリーもその同盟ファミリーも全て存在しなかった。
死ぬ気の炎の存在も噂されておらず、復讐者もおらず、裏社会全体の規模も小さかった。
昔、未来の白蘭が自分でさえも異なる世界に行くことは叶わなかったと言っていたが、私はおそらくその異世界にいるのではないだろうか?
ここに来た方法も分からない以上、帰る方法もまた分からない。
カジノやら株やら賞金首やらを利用し手にいれた財産のほとんどをスイス銀行に預け、手元にあるお金でイタリアにあるマンション一フロアと身の回りのものを用意した。
鏡に映るのは赤毛のストレートに榛色の目を持つ子供。
幻覚を利用して周りから大人に見えるようにしていなければここまで簡単にことは済まなかっただろう。
後は、これからどうするかという問題だ。
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