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沢田と獄寺が車に乗り込んだ後の山本の運転は凄かった。

とにかく、凄かった。

リムジンってレースカーだったっけ?ってくらい。

始めのうち後ろから銃を撃ってくる車とか追いかけてくる車とかいたからだろうけどさ。

高速道路でも何でもない場所で、危険すぎる。

でもそうしなければならなかったってのも分かる、分かるけど。

平和な日本がマジで恋しい。

普通運転になってクラクラする頭がようやく正常になったとき、車はスッゲエ立派なホテルの前で止まった。


「もう平気?」
「ああ。なんとか」
「右に同じく」
「左に同じくです」
「そっか。でさ、聞くの今更だけど三人とも観光旅行、であってる?」
「そーだけど」
「何処で宿とってたの?」


沢田の質問に答えない理由もないから答えた。

するとイタリア語らしき言葉で獄寺が何処かに電話し出した。

でも、何で聞くんだ?


「一応、顔見られたかもだからね。俺らのせいだし、念のためここ止まってくれる?お金は俺持ちだし、荷物は部下に運ばせるからさ」
「へ?」
「いいの!?いいんですか!こんなとこ!?いやったー!!」
「待て待て小柳。こんな立派なとこ俺らじゃ場違いだって」
「何言ってんだ清水!こんなチャンスもう来ないぞ。不幸中の幸いってやつだ。断ったら損だぞ損」


小柳と清水が騒いでる中、窓の外を見た。

豪華すぎる。

いくらあんな迷惑をかけられたからって、流石にこれは…。


「なあ沢田、マジでいいのか?」
「ん?遠慮はいらないよ。安全性もばっちりだし、部屋もうとったし、何日でもいていいけど」
「いやでもこうゆうとこって予約とかいるんじゃないか?」
「俺の会社の系列だからね。その辺はどうにでもなるから」
「ホントお前どんだけ出世したんだよ」


俺の言葉に沢田は苦笑した。


結局そのまま言葉に甘えて二日間そのホテル(食事の値段も零が多いとか寛ぎづらいところもあった(金は全て沢田持ち)けど、いいところだった)に泊まってから日本に帰った。

命の危険にあったり、昔の同級生の意外すぎる出世に驚いたりいろいろあったけれど、最終的に満足している俺は現金だろうか。

とりあえず、これから中学時代の親友に電話しよう。

そして、あの逃走劇と沢田達について話そう。

絶対信じてくれないだろうと思うと、笑えた。




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