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2

完全完璧間違いなくリョーマに気づき近づいてくる氷帝メンバーを明らかに不機嫌そうに見る。

跡部に忍足、向日、宍戸、芥川、樺地、鳳、日吉とレギュラー陣が揃っているようだ。


「名前、借りるっすよ」
「仕方ないね。貸し一つだ」
「ウィーッス」


そして、だんだんと近づいてくる彼らの内の誰かが口を開こうとした時、雲雀が踵を返した。


「あーん。越前じゃねーか。奇遇だな」
「っ、ソーッスね」


リョーマは雲雀を止める間もなくかけられた声に返事した。

上手い具合に逃げた雲雀に対して自分は待ってあげたのにと言い様のない怒りが沸いてくるのを必死に抑えつける。


「何か用あんの?」
「いや、用なんてあらへんわ。ただめっちゃ珍しー奴がおったからな」
「珍獣扱いってわけ?」
「だって青学ルーキーがこんなところにいるなんて思わないC」
「アンタこそ寝てないのが珍しいんじゃないっすか、芥川さん」
「先輩は寝る場所なかったんですよ」
「あっそ。じゃ、俺はこれで」


次々話しかけてくる彼らに付き合う必要なしと離れようとしたが樺地に前を塞がれた。


「何?」


命令若しくはその類いのことを彼にしたであろう跡部に問い掛ける。

面倒くさい。


「このパーティーは一般人が簡単に来れるような場所じゃねーんだよ。どうやった来たんだ?」
「答える必要ないし。まっ、知り合いに誘われただけ」
「知り合い?」


まるで場違いだとでも言うような、お前に金持ちの知り合いなんているのかとでも言うような跡部の視線にうんざりする。

やはり今日は厄日のようだ。


「雲雀、雲雀恭弥さん。知ってるでしょ?」


ざわつく心のままに先ほどまでいた人の名を告げれば分かりやすい程跡部は動揺する。

名家雲雀の御曹司、雲雀恭弥の群れ嫌いも凶暴性も跡部なら知ってるだろう。

というかさっきまでいたのに気がつかなかったらしい。

何にせよ、してやったりと笑みを浮かべた。


「まだまだだね」


雲雀について跡部に訊こうとしている氷帝メンバーの隙をついて今度こそ彼らの輪から抜け出した。




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