Noi abbiao il fuso orario | ナノ




小さきことにもホッとする

そしてまた決意を固め



《守護者集合》


「笹川了平推参」


そう短く刈られた銀髪の人物、笹川了平は言葉を放った。


「芝生頭」
「お兄さん!それにクローム・髑髏」


その後ろからオズオズと少女、クローム・髑髏が出てくる。


「……ボス」
「良かった。無事だったんだね」
「ボス達も無事で良かった」
「オレらは基地の中にいたからね」
「黒曜ランドの反応はやっぱりクロームだったのか」
「そう」
「えっちょっ怪我とかない?」
「問題ない」


仲間の無事に和気あいあいとしたところで隼人が疑問を呈す。


「なんでおめえがここに来るってヴァリアーが知ってたんだよ?」
「勿論。俺がそこにいたからだ」
「えっ!お兄さんがヴァリアーに?」
「そして伝言を預かってきた」
「ベルフェゴールの言ってた支持のことだな」
「一体なんスか?」
「それが、極限に忘れたー」


了平は言葉と共に手を大きく上げる。


「んなっ!?むしろこの人ぜんぜん成長してねぇ!!」
「だが心配はいらん。ちゃんとメモしてある。俺にしか分からんようにな」
「おっ」
「十年で一つ覚えたな」
「フムフム。そうかそうか」



十年後の綱吉の命でヴァリアーに行っていたこと、ある情報筋から十年前の綱吉たちの事情を知ったこと、ファミリー首脳により大規模な作戦が計画されたこと、五日後にミルフィオーレ日本支部の主要施設を破壊するよう指示されたことなどを了平は話す。

それは、本来ならこの時点で始めて綱吉を元として隼人や武、それからクロームが知るはずだったこと。

そして、このボンゴレの存亡をかけた重要な戦いを決行するかどうかを綱吉に決めろ、と。


「なっオレが!!」


大袈裟に綱吉は驚いて見せる。


「現在ボンゴレの上層部は混乱しているし十年前のお前たちを信用しきったわけではない。ヴァリアーもあくまでボンゴレ九代目の部隊という姿勢だ。お前の一存で作戦全てが中止になるようなことはないだろう。だが、このアジトのことはここの主であるボンゴレ十代目が決めるべきだと、極限に俺が言っておいた」

「お兄さん」
「ふっ、でかくなったな了平」
「期限は本日中だ」
「えっ!ええ!?」
「中止の場合は首脳に俺が伝えに行く。しっかり頼んだぞ。沢田」
「えっ、ちょっと」
「任せるぜツナ」
「俺たちはどこまでも十代目についていきますから」
「ボスに任せるから」


綱吉はグルッと周りの人々を見渡す。

そして覚悟したように了平に向き直る。


「あのどちらにしろボンゴレの方が不利なんですよね?」
「極限にそうなるな」
「なら」


綱吉はそっと微笑む。


「だったらやりましょう」




その綱吉の出した回答に息を飲む音がした。

甘すぎるくらいに優しくどうしようもなく優柔不断な彼がこんなにも早く結論を出すなんて、と。



「ボンゴレ狩りはまだ続いてるんでしょう。これ以上被害を出したくないし、それに皆にいつまでもこんなところに籠っていて欲しくないから」




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