幸福者の日記

現パロ注意

○幸福者の日記

幸村視点

日記を書く。それは自分の歴史を残すと言うことだ。毎日の何でもないような日常を記録して、忘れた頃に読み返す。あぁ、こんなこともあったけ。と過去の自分を見つめる。それが少し愉快だ。そんな事を、友人たちに話したら・・・・

「しかし最近は、紙ではなくネット上に書く“ブログ”と言うものが流行しているようだな」

と、三成さんに返された。確かに、ブログは他人に読まれることを前提に書かれているので面白い話も多い。コメントの投稿などで交わされる言葉を読むのも楽しいと思う。私も、いろんな人のブログを回ることが趣味のようなものになっている。日記帳を盗み見ているような罪悪感もないし、沢山の情報を得られる。まあ、情報収集なら、くのがいれば、常に事欠かないのだけれども。

「なんだ三成、言っていることが爺さん婆さんだぞ」

同じく友人の兼続さんが突っ込みをいれる。兼続さんと三成さんは同い年で、私だけ六つほど年下だ。私は高校生だけど、二人は立派な社会人。更に、二人はそれぞれ有名な大学を卒業した超エリートである。

「な!悪かったな、時代遅れで!」
「たしか殿、携帯電話も最近買ったばかりでしたよね〜」
「左近、お前まで・・・・!」

島左近さん、三成さんの部下だ。まだ私が小さい頃に、おじいさまの開いた塾へ勉強しに来ていたのでよく覚えている。まさかこんな形で再会するとは思っていなかったけれど。左近さんは、時々ふざけて三成さんを殿と呼ぶ。偉そうな態度がお殿様っぽいのだとか。

「いやぁ、古風でいいんじゃないですかい?」
「ならばなぜニヤニヤと笑っているのだ!」
「とりあえず、三成にはメール機能を使いこなしてもらいたいものだ」
「打ち間違いすごいですもんねぇ」
「携帯できる電話なのだから、電話が使えれば十分だろうが!」
「やはり爺さん婆さんのようなことを言う」

二人にからかわれている三成さんは可愛い。本人に言ったら怒られてしまいそうだから言わないけれど、私はからかわれている時、三成さんも、からかっている兼続さんも左近さんも、みんな楽しそうに見える。今日の日記に書くことは決まりだな。みんなとこうしてつるむようになってから、日記の半分を占めるのが彼らの話だ。一緒にいてとても幸せになれる。

「ん?どうした幸村?」

うつむいて笑いを堪えていたら、兼続さんに声をかけられた。

「あ、すみません。皆さんのお話がとても面白くて」

顔を上げてみんなの顔を見る。

「そうかそうか!三成がアナログ過ぎて笑えるか!ハハハハハハ!」
「いえ、そうは言ってませんが・・・・」
「兼続いい加減にしろ!」

三成さんが怒っているのが愉快愉快とばかりに、兼続さんは言葉を続けていった。三成さんもそれの全てに反応を返していく。

「あーあ、なかなかどうして殿も真面目に取り合うんかねぇ」
「そうですね」

一緒にそれを眺める側に来ていた左近さんの台詞に、また笑みがこぼれた。ふふふ、口元を隠す。

「なっ、幸村!お前まで俺を笑うのか!?」
「えっ!?ち、違います!三成さんを馬鹿にして笑ったのではありません!」
「馬鹿にしたのか!?」
「してませんってば!」

思わぬところで、三成さんの矛先が私に向いた。

「わ、私はただ・・・・お二人が楽しそうだなぁと思って。それに左近さんが面白いことを言ってくださったので」

だから、別に馬鹿にしたわけでは・・・・と一生懸命に弁明する。

「面白いこと?・・・・おい左近、幸村に何を言った!?」
「えっ!いや大したことじゃ・・・・」
「三成が年寄り臭い、という事だろう」
「何だと!」

今度は左近さんに詰め寄る三成さん。兼続さんがそれに横槍をいれる。余計なことを言ってしまっただろうか。わいわいギャイギャイと騒ぐ三人。こんな素敵な人たちと友人になれた私は幸福者(シアワセモノ)だと思う。今日の日記は、長くなりそうだ。

おわり

落ちが苦手ですorz
ちなみに、三成は兼続や左近、幸村以外からのからかいには冷笑で返り討ちにします。
清正&正則は更に別口(良い意味で)。

2011.10/25

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